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下着・ナプキンが透ける不安「私はずっと気にしていた」 ネットで検索しても答えなき女性アスリートの悩み――陸上・佐藤友佳

「THE ANSWER」の姉妹サイト「W-ANS ACADEMY」が国際女性デー特別企画として9日に実施したオンラインイベントに、陸上女子やり投げで活躍した佐藤友佳さんが出演。「月経とコンディショニング」をテーマに現役時代の経験とともに、昨年11月に入籍し、現在は妊娠5か月であることを明かした。終了後、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身の月経の体験談を打ち明け、さらに陸上界の女性アスリートの環境について語った。(前後編の前編、聞き手=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

陸上女子やり投げで活躍した佐藤友佳さん【写真:松橋晶子】
陸上女子やり投げで活躍した佐藤友佳さん【写真:松橋晶子】

「W-ANS ACADEMY」オンラインイベントに出演 インタビュー前編

「THE ANSWER」の姉妹サイト「W-ANS ACADEMY」が国際女性デー特別企画として9日に実施したオンラインイベントに、陸上女子やり投げで活躍した佐藤友佳さんが出演。「月経とコンディショニング」をテーマに現役時代の経験とともに、昨年11月に入籍し、現在は妊娠5か月であることを明かした。終了後、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身の月経の体験談を打ち明け、さらに陸上界の女性アスリートの環境について語った。(前後編の前編、聞き手=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】

 ◇ ◇ ◇

――MCの元競泳日本代表・伊藤華英さん、専門家の日体大・須永美歌子教授と登壇。さまざまな体験談の発信や意見交換がありました。感想を聞かせてください。

「こういうイベントで生理の経験を話すのは初めてでした。伊藤さん、須永先生とはイベントの前後もお話をさせてもらって、先輩女性アスリートとしての経験を聞かせてもらい、勉強になりました。須永先生が説明してくださった(資料の)スライドもすごく分かりやすくて、私自身、自分の月経について見直す機会になりました」

――今回イベントに参加しようと思ったのはなぜでしょうか。

「私自身が現役時代に悩んでいたので。ネットでは見つからない情報があったんです。やっぱりアスリートの月経はなかなか見つからない。女性としての月経の悩みは情報がいっぱいあるけど、本当にコアなところ、例えば『試合中に生理が来たらどうする』『ナプキンはどんなものがいい』と調べても出てこなかった。元アスリートとして、少しでも今の女性アスリートに役立つ情報が発信できれば。たとえ、参考にならなくても同じ悩みを持っている人がいるだけで安心することも私自身あったので。女子アスリートの方たち、そのコーチも含めて、お役に立てればという気持ちで参加させてもらいました」

――イベントでは切実な経験も明かしてくれました。やり投げは1時間の競技がある中で『スパイクを脱ぐのが煩わしい』『すぐに自分の投てきの順番が来る』との理由で、トイレに行きづらくナプキンを代えられないという話も。外から見ているだけでは分からない不自由さが現場の選手たちにはあると感じました。

「なかなか女性同士でも生理に関して話すことがなく、本当にそれぞれ悩みが違うので。私の場合は個人種目だし、合宿も男女混合が多かった。なので、オープンにみんなが話していたわけではないですが、(経血の)漏れや(ナプキンの)ズレなどは共通の悩みとしてあったと思います」

――そもそもアスリートも月経に関する基礎的な知識を学ぶ機会の少なさも課題といわれています。佐藤さんは保健体育の授業以外にありましたか?

「保健体育で学んだ、プラス、自分の症状をネットに入れて検索するくらいです。強化選手に入ってからはJISS(国立スポーツ科学センター)や日本陸連が発信している情報から学ぶことはありました。でも、悩みは本当に個々それぞれなので婦人科を受診して先生とお話をする機会がないと、個別の対応はできないと感じました。私が初めて婦人科を受診したのはJISS内のクリニックで28歳の時でしたが、もうちょっと早く受診しても良かったかなとは思います」

――佐藤さんの場合はトップアスリートなので、JISSという相談しやすい環境がありました。しかし、地方拠点や部活生など環境によって格差は拭えません。

「そうですね。どうしても偏見もある。例えば、婦人科に行くことが中高生だったら妊娠していると思われたり、ピルを服用することは避妊のためにやっていると思われたり。なので、私自身も婦人科の病院はハードルが高くて足が進まなかった。JISSだったから私は行けた部分がある。私がアスリートとしてピルを服用するのは実際に相談しに行って、その知識を得られたからなので。ただ、行ってみて気づいたのが、どこの婦人科でも行っていいんだということでした」

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