「ナプキンかタンポンか」オリンピック選手の月経対策 最近は「生理○日目」も記入→チームと共有・管理――女性アスリートと生理
小学生の娘を持つ荒木さん「子どもたちが正しい知識が得られる環境を」
――生理という切り口で女性アスリートの課題を聞いてきました。この領域において、お二人が今後課題に持っていることはどんなことでしょうか?
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伊藤「この課題が注目されているのは、女性の社会進出も関連していると思います。女性は経済的に輪の外にいるという風潮から、女性が活躍することでこんな課題もあるよね、という認識が生まれている。一方で、生理を学校教育だけでやるのは限界がある。今は学校の教員負担も大きく、科目担任制も進んでいるし。そこに外部指導者も取り入れていく必要もあると感じます。毎日顔を合わせる先生に生理のことを教わったり相談したりするのは、どうしても恥ずかしさがあるもの。
小学生も月経が来ている、来ていないはそれぞれ。中学生になってから来ることもある。その中で、学校の外部から来た方に話してもらった方がやりやすいかもしれない。また、保健の授業を受けたからといって、子どもが実際に生理が来た時にその内容を覚えているかわからない。保護者も一緒に受けるのも手かもしれないですね。そのくらい小学生に月経を教えるのはすごく難しいと感じます。荒木さんは実際に小学校の娘さんがいますが、お母さんとしてはどう感じていますか?」
荒木「小学校でそういう勉強をしてきたという話は娘もしますね。男の子も一緒に受けたことも話してくれました。それは良いことだと思います。家に帰って来て、親に話すことで、学校で終わりじゃなく、自分が疑問に思ったことを親なり先生なり話しやすい人に投げかけることで、認識や理解が深まることも多くあると感じます。今は小学生もパソコンをするし、携帯でなんでも検索できてしまう。うちはまだスマホを与えてないですが、(検索して)何を見ているかは親としても心配。子どもたちが正しい知識を得られるような環境があると安心ですね」
ここまで生理について語ったが、荒木さんは「生理から繋がって、女性がキャリアを描く上で考えていかなければいけない」と考えることがある。それが、女性アスリートの出産。第3回では荒木さんも実際に現役時代に経験した結婚・出産と育児との両立について語られた。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)