「生理でお腹痛くても耐えて我慢するだけ」 急激に変わる環境…五輪選手も今はピルが「当たり前」の選択――女性アスリートと生理
生理を口に出せなかった時代からの変化 荒木さん「私たちの頃は我慢するのが当たり前」
荒木「そういう競技性はありますね。なので、今は大会に合わせて調整するより、生理痛がひどい時はピルを飲んで、多少和らげて、生理に当たっても競技にはそこまで影響が及ばない状態を作るという方法がスタンダードかもしれない。本当にひどい人はずらすし、選択肢としてあるけど、なかなかそれをやっている人はいないですね」
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伊藤「しかも、生理をずらす中容量のピルは含まれるホルモン量が多いんです。例えば、月経困難症などは低用量ピルなどを処方されるけど、中用量は量が多いです」
荒木「逆に負担がかかりますよね」
伊藤「私が合わなかった部分はそこです。私の場合はずらさなくて良かった。なので、生理をずらす時期を婦人科の先生と考えられるとベスト。『大会直前に終わらせておきましょう』とか。ただ、経血が出る、出ないだけの判断では危ない。つらい状態は人それぞれ。経血が出ている時がしんどい人もいるし、楽な人もいる。その前がしんどい人がいるし、楽な人もいる。だから、私のように安易に決めてほしくない。荒木さんはお母さんが保健体育の先生ですごくしっかりと考えてくれたんですよね?」
荒木「そうですね。『お腹痛い』と言っても私たちの頃の10代は耐えて、我慢するのが当たり前。今みたいに口に出せない時代。尊重されないし、『はい、(分かったから)頑張れ』と言われるだけ。でも、母は『それは絶対おかしいから病院行きなさい』と無理やり連れていかれて。周りの環境や近くの大人が導いてあげることも大事かな」
伊藤「若いうちはそうですよね、特に」
オリンピアンとして生理の体験談を明かしてくれた2人。時代が進み、その対策も急速に進んでいるという。第2回では実際にスポーツ現場で取り入れられている、月経を含めたコンディション管理について語られた。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)