[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

中野友加里、減量と闘う現役女子選手に送る助言「私は大会後、好きなだけ食べていた」

スポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る「THE ANSWER」の連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。フィギュアスケートの中野友加里さんがスペシャリストの一人を務め、自身のキャリア、フィギュアスケート界などの話題を定期連載で発信する。

THE ANSWERスペシャリストを務める中野友加里さん【写真:松橋晶子】
THE ANSWERスペシャリストを務める中野友加里さん【写真:松橋晶子】

「THE ANSWER スペシャリスト論」フィギュアスケート・中野友加里

 スポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る「THE ANSWER」の連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。フィギュアスケートの中野友加里さんがスペシャリストの一人を務め、自身のキャリア、フィギュアスケート界などの話題を定期連載で発信する。

 今回のテーマは「フィギュアスケート選手のダイエット」後編。体重管理が厳しい競技として知られるフィギュアスケート。選手たちはどのようにしてコントロールしているのか。後編では、中野さんが自身の経験をもとに現役世代に向け、ダイエットについてアドバイスを送り、過度な減量についても警鐘を鳴らした。(聞き手=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

――前編は中野さんが実践したダイエット法を中心にお聞きしました。女性の体は繊細で、特に慎重な管理が求められると思いますが、ダイエットはアスリートでなくとも真偽不明の情報が出回っています。その辺りは自分で心がけていたり、アドバイスをくれたりする人はいましたか?

「正直、なかったです。今考えてみると良くないのですが、ただひたすら痩せればいいと目の前の体重に一喜一憂していました。コーチたちは『体力がつかないから、食べなきゃダメだ』『もっと肉をつけないといけない』と言ってくれるのですが、痩せすぎても露出の多いフィギュアスケートでは魅力のない体になってしまいます。私なりに自己流で痩せ方を掴み、コンディションを整えて行きました」

――今の女子選手たちも減量に気を配りながら競技に取り組んでいます。健康と競技力をともに保つのは難しい競技ですが、どうすれば両立が可能になると思いますか?

「今はもう私は痩せなくてもいいので気が楽になったのですが、それでもどこかで昔の自分を思い出してコントロールしてしまうんです。1日にこれだけ食べたら増えると体に染み込んでいます。そんな風にコントロールできた状態で、時には自分の好きな物を食べてリフレッシュでき、ストレスを溜めない体重管理が理想だと思います。例えば、普通に食べていい量のうち、ちょっとだけチョコレートを食べる。でも、残りで栄養を考えて物を食べる。甘い物は太るからとすべてダメと考えるのではなく、自分でトータルの量を決めて調整するのは一つの手だと思います」

――中野さんの話で大切に感じるのは「自分の体を知る」ということですね。どの競技においても、どれだけ食べたら太る、痩せると把握していくことは、コンディション管理をする上でも欠かせないことです。

「その通りだと思います。今、言ったことは私が長年ダイエットをやってきた中で分かったことです。引退後に2人の子供を出産した後は痩せるのがすごく大変だったのですが、そういう時もスケート時代のダイエットが役に立つこともありましたね」

1 2 3

中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集