女子部活に消えない過度な短髪 「角刈り強制」に涙したバドミントン選手の経験と助言
「お金もかけられず、メイクも禁止されている中高生がキレイになるコツ」を助言
今も「女の子らしくありたい」と思いながらも、部活のルールでその表現ができない子供たちもいる。「アスリートビューティーアドバイザー」の視点で「お金もかけられず、メイクも禁止されている中高生がキレイになるコツ」を聞くと、いくつかのアドバイスをくれた。
1つ目は、朝晩の洗顔をしっかりとすること。
「これが将来につながってきます」と花田さんは言う。大人が買うような高価なものじゃなく、ドラックストアにあるようなものでいい。ポイントは「泡を立てて、優しく扱うこと」という。
「メイクレッスンの感想で、自分を優しく扱うと他の物事も丁寧に扱うようになり、メイクを教えるとその後のクレンジングをしっかりするようになるとか、生活自体が丁寧になってくると聞きます。
丁寧とは、自分を大切にすること、自己肯定感につながります。なので、自分に優しく触れてほしい、特に今は手洗いが必要な習慣ですが、その時も“手を洗っている”という意識を持つことで自己肯定感につながります」
2つ目は、姿勢をキレイに保つこと。
「姿勢に気持ちの6割が出ると言われています」と、きちんとした姿勢の重要性を明かした花田さん。例えば、授業中の45分は椅子の背もたれに背をつけず、真っすぐな姿勢を意識してみてもいい。
「悩んでいるのに胸を張っている人はいないですよね。そういう時は猫背のイメージ。もともと農耕民族の日本人はその姿勢が楽ですが、意識をしておくことで日々の生活、行動が変わってきます。特に背が大きい子は猫背になりやすいので、注意してほしいです」
加えて、陸上部、水泳部、テニス部のような屋外競技は日焼けの注意も必要だ。
「日焼け止めが可能であれば、競技中は難しくても移動中だけでも塗ると将来的には安心です。ビューティー面だけじゃなく、日焼けによる熱疲労でパフォーマンスにも影響するので意識してほしいです」
最後に、花田さんは現役の中高生へ「キレイになりたいと思うのは自然な感情。オシャレが禁止されていても、その感情は持っていていいということは知っていてほしい」と訴え、ある大学の体育会学生向けにした講演のエピソードを交えてメッセージを送る。
「私が『キレイになりたい人?』と聞いたら、みんなが手を挙げたのですが、その一人が恥ずかしそうに挙げていたんです。話を聞いたら『生まれて初めて人にキレイになりたいと言った』『キレイになりたいと思うこともいけないと思っていた』と声を震わせながら話してくれました。
それぞれの環境の中では難しいということもありますが、思ってはいけない感情はないので。そうじゃない(認められた)環境になった時に『キレイになりたい』という自分の欲求を叶えてほしい。最初のステップで分からないことがあるなら、私のところに来てくれたら嬉しいです」
ルールに縛られて自由はなくとも、今の自分にできることをコツコツとすることで、将来の“美”の備えにつながる。自分を大切に扱うことで、自己肯定感につながる。それは女性アスリートのみならず、女性として生きていく上で、必ず意味があることだ。
■花田真寿美
1987年生まれ、富山県出身。小学3年生からバドミントンを始め、大学2年生まで続ける。29歳だった16年から「アスリートビューティーアドバイザー」として活動を始め、19年に日本アスリートビューティー協会を設立。今年10月からは「チーム・アスリート・ビューティー」を立ち上げ、元競泳日本代表・伊藤華英さんのほか、管理栄養士、パーソナルカラー診断士、皮膚科専門医ら7人で協力し、それぞれのジャンルで“美”を追求したオンラインプログラムを提供している。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)