「誰かと一緒になりたくない、絶対に」 女子クライマー・野中生萌という名の個性
クライミングの野中生萌(X FLAG)がこのほど、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、女子アスリートとしての競技哲学について語った。東京五輪メダル候補として期待がかかる22歳は日本人クライマー最多18万人のSNSフォロワーを数え、ファッション、ウェアに対するこだわりから、「誰かと一緒になりたくない」という自身の生き方についても思いを明かした。
東京五輪メダル候補の22歳が抱く、女子アスリートとしての競技哲学
クライミングの野中生萌(X FLAG)がこのほど、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、女子アスリートとしての競技哲学について語った。東京五輪メダル候補として期待がかかる22歳は日本人クライマー最多18万人のSNSフォロワーを数え、ファッション、ウェアに対するこだわりから、「誰かと一緒になりたくない」という自身の生き方についても思いを明かした。
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野中生萌とは、もっともクライマーらしいクライマーではないか。
東京五輪に採用されたスポーツクライミング。スピード、ボルダリング、リードという3種目の合計ポイントで順位を争う新種目で出場を目指している22歳は、このほど延期が決まった本大会でもメダル候補として期待が集まっている。
「やっぱり目指すところはもちろん、みんな金メダル。そこは、私もブレずに目指してやっています」
ボルダリングで18年ワールドカップ(W杯)年間総合優勝。五輪同様、3種目で争う19年コンバインド・ジャパンカップ優勝など、実力は世界トップレベル。そして、もう一つ特徴的なのが、彼女の生き方。ここに、野中の“クライマーらしさ”がある。
例えば、彼女のインスタグラムを覗いてみれば、「野中生萌」というキャラクターがわかりやすい。
大会や練習の舞台裏はもちろんのこと、ファッションにまつわる発信も多い。写真にこだわり、投稿は堪能な英語でも頻繁に行い、コメント欄には海外ファンからの声も並ぶ。18万人を数えるフォロワーは、日本人クライマーで最多にある。
どちらかというと、“今っぽいアスリート”の世界観が、人気を獲得している要因だろう。そのアイコンの一つとなるファッションに対する感度の高さについて問うと「こだわるというより、気にしてはいるかな」と言いながら、思いを明かす。
「そもそも、スポーツって『黒髪、ノーメイク』という昔ながらのイメージが強い。でも、そうじゃないのがクライミング。それが私の場合、髪やネイルの色を変えたり、メイクをしたりということにつながっているのかな」
“昔ながら”の枠にハマらないクライミング。競技の空気は、大会に一度行ってみるとよくわかる。
競技中もアップテンポな音楽が流れ、実況が会場のムードを盛り上げる。屋外の大会になれば、音楽フェスっぽさもある。選手の髪色、スタイルも様々で、ウェアのバリエーションも豊富。最近では競技用のデニムで挑む選手もいる。
今は淡い紫に髪を染めている野中は「髪色を変えることで大会のモチベーションを上げることもある。気合いを入れたい大会、これは決めたいと思う大会には必ず美容院に行く。色は、その時の気分で」と笑う。
クライミングとは、その競技特性を生かすことで、自身のパフォーマンスにも生かすことができる。