WBC大谷翔平のラストが思い出させた「野球を書く」理由 現地の米記者は子供に戻った
2人で「BASEBALL IS THE BEST」の意味を実感
今大会No.1の名シーンは「ショウヘイVSトラウト」でクレア記者と意見は一致した。「2番目」について問われた筆者は、準決勝メキシコ戦での村上宗隆内野手のサヨナラ打を挙げた。
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そのシーンを実況した米放送局「FOXスポーツ」のジョー・デービス氏の熱のある言葉に感動した旨を伝えると、クレア氏は意外なことを教えてくれた。
「面白いのは米国の人は逆にみんな日本の実況が気に入っていたことです」
米国人からすると、日本語の実況は話している内容が分からないはず。それでも、野球に対する熱が伝わるから好まれたのだという。クレア氏は日本代表のヌートバーに日本語が理解できるのか聞いた時、「コミュニケーションの90%は言語を介さないものだ」と答えられたことを回想した。
「『私たちはみんな野球で会話するんだ』って。どの言語を話そうと、私たちは野球で1つになれるんだ。素晴らしいことだと思います。こうやってあなたのような人と会えて、一緒に試合を見られて、東京からマイアミへ旅して……はぁ~……」
感嘆のため息を漏らしたクレア氏の言葉を聞き、私の頭にはMLB公式のサラ・ラングス記者がツイッターで連呼する決め台詞が浮かんできた。
「BASEBALL IS THE BEST(野球って最高だ)」
思わず口に出すと、クレア記者も「BASEBALL IS THE BEST! これ以上ない要約ですね!」と頷いてくれた。野球少年に戻った2人の記者が、国を越えて語り合う。貴重な場を作ってくれたWBCに感謝したい。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)