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「ダルビッシュジャパンと言ってもいい」 栗山監督がひたすら感謝する侍ジャパンの実像

不振だった村上を頷かせた言葉「野球より人生の方が大事だから」

 これを伝え聞いた村上宗隆内野手(ヤクルト)は、それまで全4試合で4番を務めながら、打率.143(14打数2安打)の不振だったが、「それはもう普段から、食事会や試合前にダルさんと話している時にも、おっしゃっていました。その通りやな、と思います」とうなずいた。村上はその後の準々決勝で、初のタイムリーを含め3打数2安打1打点1四球をマークし、息を吹き返したのだった。

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 ダルビッシュがプロ入り後に日本代表に名を連ねるのは、星野仙一監督(故人)の下でまさかのメダルなしに終わった2008年北京五輪、原辰徳監督の下で優勝を果たした09年第2回WBCに次いで3度目。「結果ありきではありますが、今回はベンチに笑顔がたくさんある。ベンチ裏でも仲がいいですし、以前僕が参加したWBCとは、また違った雰囲気になっているのかなと思います」と目を細める。これまで日本代表のセットだった“日の丸の重圧”は、今回のチームからはそれほど強く感じられない。

 ダルビッシュは普段から「自分はアメリカ生活が長いので、年功序列は全然考えていません」と強調している。キャリアに裏打ちされた技術の理論を持ちながら、決して“上から目線”でないダルビッシュの若手へのアプローチは、今どきの選手たちに受け入れられ、明るいムードを醸成していったようだ。

「アメリカの地を踏んだことのない選手もいっぱいいて、アメリカに行けることがすごく、うれしいと言っている。日本にいる時以上に、みんなの明るい顔が見たいと思っています」。満面に笑みをたたえ、こう言い残して日本をあとにしたダルビッシュ。結果的に世界一になれるかどうかとは関係なく、このチームの雰囲気は侍ジャパンに長く引き継がれるべきではないだろうか。

(宮脇 広久 / Hirohisa Miyawaki)


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