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「ダルビッシュジャパンと言ってもいい」 栗山監督がひたすら感謝する侍ジャパンの実像

野球の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で準々決勝を突破し、準決勝・決勝の地である米マイアミに到着した侍ジャパン。チームの精神的支柱となったのは間違いなく、最年長36歳のダルビッシュ有投手(パドレス)だった。若いチームメートへ、自身が長いキャリアの中で培った技術を惜しみなく伝授したこともそうだが、“日の丸を背負う重圧”から解き放ったことが最も貴重だったのではないだろうか。

侍ジャパンを支える最年長36歳のダルビッシュ有【写真:Getty Images】
侍ジャパンを支える最年長36歳のダルビッシュ有【写真:Getty Images】

「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール 1次ラウンド」準々決勝に勝利

 野球の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で準々決勝を突破し、準決勝・決勝の地である米マイアミに到着した侍ジャパン。チームの精神的支柱となったのは間違いなく、最年長36歳のダルビッシュ有投手(パドレス)だった。若いチームメートへ、自身が長いキャリアの中で培った技術を惜しみなく伝授したこともそうだが、“日の丸を背負う重圧”から解き放ったことが最も貴重だったのではないだろうか。

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 栗山英樹監督は東京ドームで行われた準々決勝・イタリア戦に勝利後、「今回のチームは“ダルビッシュジャパン”と言ってもいいくらい。自分のことはさておいて、チームのため、野球のため、将来のため……今、僕が多くを語るつもりはありませんが、いつかきちんとみなさんにお伝えしたいと思うくらい、感謝しています」と最大級の賛辞を贈った。「もちろん、勝つためにやってくれているのですが、これが5年10年たった時に、日本の野球界にとって大きなものとなることは間違いないので、今はひたすら感謝しています」とも付け加えた。

 ダルビッシュは1次ラウンドで、最難関の韓国戦に先発し、3回3安打3失点。さらに中5日でイタリア戦に7回からリリーフ登板し、2回2安打1失点。その投球内容以上に、舞台裏でチームの結束に与えた影響が大きかった。

 実は来日前から、「戦争に行くわけではない。負けたら日本に帰れないというマインドでは行ってほしくない。気負う必要はない」との発言が日本に伝わっていた。チーム合流後は、自ら音頭を取り投手陣の食事会を開催し、野手陣とも積極的に交流。報道陣の前では、3大会ぶりに世界一に就くための秘訣について「世界一を考えないことだと思います。先を見たり、結果を気にし過ぎると、どんどん自分が追い込まれていく。そうではなく、その日その日の準備に集中することが大事だと思います」と持論を展開。チームメートの精神的負担を軽減するための発言に聞こえた。

 1次ラウンド4試合を終えると、野手陣は好調の選手と不振の選手に明暗が分かれた。ダルビッシュは不振の選手について、「野球なので、そんなん気にしていてもしかたがない。人生の方が大事ですから。野球くらいで落ち込む必要はないと思う。(翌日に)休みもあるので、野球以外の楽しいことをしたり、おいしいご飯を食べたりして、リラックスしてほしい」と語った。

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