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日本で聞かないスペイン野球界のリアル サッカーの国が希求する大谷並みの見える象徴

日本との対戦で感じた野球の奥深さを語ったセグラ氏【写真:Rafa Huerta(ラファ・ウエルタ)】
日本との対戦で感じた野球の奥深さを語ったセグラ氏【写真:Rafa Huerta(ラファ・ウエルタ)】

カタルーニャの野球史に残るリトルリーグ・ワールドシリーズでの日本との対戦

 スペインではマドリードやカタルーニャなど州ごとに行われるリーグ戦と、スペイン全体で行われるナショナルリーグに相当するスペイン選手権(カンピオナート・デ・エスパーニャ)の2種類がある。特にスペイン選手権は、スペイン全土で全自治州を相手に戦うビッグイベント。優勝チームはヨーロッパ・アフリカ・リトルリーグ・ワールドシリーズの出場権が与えられる。

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 2018年にはポーランドで行われた同大会でカタルーニャ代表が優勝。米マイアミで行われたリトルリーグ・ワールドシリーズ本大会の出場を決めた。セグラ氏が「協会として最も誇らしい」という出来事。その大会で初めて対戦したのが日本のチームだったという。

「日本との対戦は、選手にとってもコーチ陣にとっても、そして野球・ソフトボール協会にとっても、本当に唯一無二の体験となりました。私たちは、このスポーツをどのように生きるべきかを常に他から学んでいます。米国、ラテンアメリカ、日本……これらの国では、野球は重要なスポーツです。スペインでは、スポーツの5割以上をサッカーが占めています。私たちの選手が遠征した時、彼らは(大人の)スター選手であるかのように感じました」

 日本戦は1-11と大敗したものの、4回まで1-1と互角の展開。カナダとは延長にもつれ込む激闘の末、1-2で敗れて敗退となった。当時、協会の強化担当として同行したセグラ氏は「10~11歳の子供たちが、経験したことのない7000人もの前で延長戦にもつれ込んだんです。スタンドにいた僕が身震いしましたから、グラウンドにいた選手たちはそれ以上だったでしょう」と振り返っている。

 この経験は、自身がスペインでベースボールを根付かせるためにやってきた育成の成果を実感させるものだった。

「カタルーニャの子供たちは、年間最低でも40~50試合をできる環境が整っている。でも、スペインの他の自治体、他の地域では同じ環境が整っておらず、子供たちは同じ幸運を手にしていません。子供たちが国際的な大会に出場できる環境づくりも大切です」

 カタルーニャでは毎年「カタルーニャベースボール&ソフトボールウィーク」を開催。海外から34チームが参加する大会で、10月にはパーフェクト・ゲーム社主催の「パーフェクト・ゲーム・トーナメント」という大会も行われる。ここには米国の大学や多くの機関が選手の視察のためにスカウトを派遣してくるという。最近の4~5年では、協会所属の選手が5人ほどメジャーリーグのユースチームにスカウトされ、ロイヤルズ、カブスなどでプレーしているという。

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