ダルビッシュ、思わぬ3失点に隠れた好影響 栗山監督「ダルの思いはみんなに伝わる」
野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は10日、1次ラウンド第2戦で韓国を13-4で下し、開幕2連勝した。先発のダルビッシュ有投手は先制2ランを浴びるなど、3回3安打3失点で降板。相手を寄せ付けない快投とはいかなかったが、今後の侍ジャパンの行方に関わる重要な一戦の先発は、大谷翔平でも、昨年パ・リーグ投手部門4冠の山本由伸でもなく、ダルビッシュでなくてはならない理由があった。
「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」1次ラウンド
野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は10日、1次ラウンド第2戦で韓国を13-4で下し、開幕2連勝した。先発のダルビッシュ有投手は先制2ランを浴びるなど、3回3安打3失点で降板。相手を寄せ付けない快投とはいかなかったが、今後の侍ジャパンの行方に関わる重要な一戦の先発は、大谷翔平でも、昨年パ・リーグ投手部門4冠の山本由伸でもなく、ダルビッシュでなくてはならない理由があった。
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ダルビッシュは両チーム無得点で迎えた3回、無死二塁でヤン・ウィジ捕手に先制2ランを被弾。さらに2死後、三塁手・村上宗隆の悪送球で二塁に走者を背負うと、韓国きっての好打者イ・ジョンフ外野手に右前適時打を喫した。あっという間に3失点。味方打線がその裏に一挙4得点で逆転したが、48球を投げたダルビッシュが続く4回のマウンドに上がることはなかった。
栗山英樹監督は試合後、「野球ではいいピッチャーがああやって点を取られることがあるし、いい球を投げても、相手打者のバットの軌道がたまたまそこに来ることがある」とコメント。その上で、「変な言い方ですが、あのダルビッシュさんでも点を取られることがあるんだと、若い人たちがもっと思い切って行ける空気になったことは事実」と語った。
詭弁に聞こえなくもないが、いずれにせよ、抑えても打たれても、ダルビッシュが先発すること自体に意味があった。指揮官は感慨深げに明かす。
「個人的には試合開始の時、スコアボードにダルビッシュ投手の名前があるのを見て、いろいろな思いがよぎった。それが夢だった」
日本ハムの監督に就任した2012年、ダルビッシュはちょうど入れ違いの形でメジャーへ移籍。ただ、就任直後、日本ハム所属全選手を対象に行った個人面談では、ダルビッシュとも膝を突き合わせた。以降、自分が指揮を執る試合にダルビッシュが先発するシーンを思い描き続けたきた。
こうした経緯から、侍ジャパンでも栗山監督にとって、ダルビッシュは最も招集したい選手の1人だった。ダルビッシュもこれに応え、メジャーリーガーではただ1人、2月17日から行われた宮崎キャンプにフル参加したのだった。