腰痛に悩む人の意外な共通点 「全員と言っても過言ではない」硬くなっている筋肉とは
運動習慣のない人、痛みへの恐怖心がある人は殿筋のストレッチから
大殿筋はお尻にある最も大きな筋肉ですが、骨盤のポジションを下から支えるという役割を担っています。しかし筋力不足により、骨盤を支えられなくなると、骨盤とその上に乗っている腰椎(背骨の腰の部位にあたる骨)は過剰にグラグラ動き、姿勢の支持が難しくなります。そこで、骨盤を安定させようと、周囲の筋肉にグッと力を入れてガッチリ固定。これが長年続くと、臀部、そして隣接する腰部まで、筋肉が拘縮してしまいます。
また、筋肉の拘縮はさらなる痛みを呼びます。
人間は歩いたり走ったりする際、脚だけでなく骨盤も動かしながら前進します。このとき、地面から体に跳ね返ってくる衝撃は、骨盤や腰椎が適度に動くことで吸収されています。
ところが殿筋が硬くなると、骨盤の柔軟な動きが失われるため、甚大な衝撃を体がまともに受けてしまう。その積み重ねにより、筋肉などの組織がダメージを受け、痛みにつながります。
以上のことから、腰痛のある人は殿筋の筋肉を鍛え、かつ柔軟性を保つ必要があります。しかし、運動習慣のない人や痛みに対する恐怖心があると、腰痛を抱えての筋トレは少々、ハードルが高い。そこで、まずは殿筋のストレッチに取り組んでほしいのです。
筋肉が硬くなると痛みを感じる物質が分泌されるため、腰痛も強くなります。まずは、柔軟性をある程度取り戻すことで、痛みを軽減しましょう。すると、その後の運動量の増加や筋トレを実践する意欲にもつながります。