骨折しながら日本一 絶対女王・安井友梨から感じた「ビキニフィットネスの顔」としての自負
日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)が主催する階級無差別の「JBBFフィットネス・グランド・チャンピオンシップス(以下グラチャン)」が8日、東京・江戸川総合文化センターで行われ、ビキニフィットネスは39歳・安井友梨が優勝。真のフィットネス日本一を決める国内最高峰大会で4連覇の快挙を達成した。世界選手権2位に輝くなど競技の第一人者として知られる絶対女王は、トレーニング中に左足親指を粉砕骨折してからわずか2か月弱。痛みを抱えながら、それでもステージに上がった裏には、怪我を通して強くなった「ビキニフィットネスの顔」としての自負があった。
JBBFフィットネス・グランド・チャンピオンシップス
日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)が主催する階級無差別の「JBBFフィットネス・グランド・チャンピオンシップス(以下グラチャン)」が8日、東京・江戸川総合文化センターで行われ、ビキニフィットネスは39歳・安井友梨が優勝。真のフィットネス日本一を決める国内最高峰大会で4連覇の快挙を達成した。世界選手権2位に輝くなど競技の第一人者として知られる絶対女王は、トレーニング中に左足親指を粉砕骨折してからわずか2か月弱。痛みを抱えながら、それでもステージに上がった裏には、怪我を通して強くなった「ビキニフィットネスの顔」としての自負があった。
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煌びやかな赤のビキニを纏った安井が登場すると、客席からは「綺麗だわ~」とため息が漏れた。9月に行われた身長別で争う「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス(以下オールジャパン)」の上位成績者が集結した、階級を越えた真のフィットネス日本一決定戦。ダンシーあずさら強力なライバルが居並ぶ中、「ビキニの女王」の存在感は別格だった。
20人で行われたピックアップ審査、予選を経て決勝へ。3度のステージングでは、ヒールを履いて舞台上を闊歩。客席に笑顔を振りまきながら華麗なポージングを披露し、見事4連覇を成し遂げた。怪我の影響を感じさせなかったが、表彰式後、笑顔の裏に隠された不安を打ち明けた。「ちょっと危うい時は何回かありました」
8月17日、ジムのロッカーから15キロのパラレルグリップが左足に落下。親指を粉砕骨折した。現在も仮骨で、完治まではまだ3か月かかる見通しだという。9月のオールジャパンまでは、有酸素運動が全くできない状態。ヒールを履いてポージングの練習ができるようになった頃には、グラチャンまで1週間を切っていた。
「練習が全然できていないので、怪我をしている左足がつっちゃってつっちゃって。久々に長いポージングを取るので、足のつりとの戦い。つりながらやっていました。本当に毎日泣いて、昨日も涙、涙で。こういうことができないとか、ポーズの練習でもなんか突っかかって痛いとか。あー、もう明日ダメかもしれないとか、そんなことで泣いちゃったり。情緒不安定すぎて、トレーナーさんにも怒られました」
憂慮に堪えない日々。トレーナー、医師、治療家、ファン、家族……様々な人の助けを借りて、骨折した時には「夢のまた夢」と思ったグラチャンのステージに辿り着いた。パフォーマンス中も、支えてくれた人たちの顔がどんどんと浮かんでくる。恩返しの気持ちを込めた舞台。30歳で競技と出会った安井は「この9年間で、今までで一番楽しいなって思えるステージでした」と振り返った。