ボディコン日本一になった46歳 甲状腺の病を患い、変わった「普通のお母さん」の人生
大人になってできた「戦友」との出会いは「財産」
ステージを降りれば、朝は子供を起こして弁当を作り、満員電車に乗って出社する「普通の人」という黒川は「コンテストは特別な人がやるものだと思われがちだがそうではない」と力説する。家族や仕事など抱えるものが増えるにつれ、“できない理由”を探してしまいがち。しかし、自分を軸に据えて、やりたいことをやってほしいと同世代の女性にエールを送る。
ボディコンテストを通してかけがえのない仲間もできた。同じく「SBC FINAL 2022」のTREND部門で総合優勝に輝いた森尾真己。SBCで知り合った2人は、毎日連絡を取り合い、二人三脚で今大会に臨んだ。「お互い得意な部分が違うので、補い合いながらやってきた。彼女がいなかったら総合優勝できなかったし、彼女もそうだと言ってくれた」と2人で支え合った日々を振り返る。
「友達という言葉では表せないぐらい。親友でもないし、私は『戦友』と言っている。大人になって、この歳でそういう人と出会えたというのは財産」。森尾との関係をこう表現し、戦友と同時に総合優勝を獲れたことは「誇り」と胸を張る。
闘病後の見るに堪えない自分の姿がきっかけとなって始めたトレーニング。「普通の働くお母さん」はジムで自分の時間を見つけ、ステージ上で“誰かの妻や母”としてではない自分自身を再発見し、戦友と呼べる仲間を得た。
他人を軸に“できない言い訳”を考えてしまう同世代の女性へ――。黒川は過去の自分と重ねつつ、「諦めるにはまだ早い」と伝えるためにステージに立つ。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)