「ムキムキの筋肉」は健康に良くないって本当? “健康ファースト”で体を鍛える方法
「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。28限目のお題は「ムキムキの筋肉のウワサ」について。
連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』28限目」
「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。28限目のお題は「ムキムキの筋肉のウワサ」について。
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Q.ビルダーに憧れて鍛え始めましたが、同僚に「ムキムキの筋肉なんて必要ないし、硬くていい筋肉ではない。血行も悪くなるし健康に良くないからやめたほうがいい」と言われました。本当ですか?
確かにボディビルダー的な筋肉は、動物の体、動く生き物としては本来必要のないものですから、いきすぎると「健康にいいもの」ではないと、私も思います。見栄えを追求するあまり、動きに必要のない筋肉をムダにつけていくのがボディビルですから、そもそも健康がどうとか、関係ありません。
そして、そもそも健康になろうと思ってボディビルをやっている人なんて、誰もいないと思います。ビルダーに「ムキムキになっても健康に悪いからやめろ」というのは、数学者に「数学やっても儲からないからやめろ」というのと同じですからね。余計なお世話です(笑)。
まあ、それはさておき、“ムキムキの筋肉は硬くていい筋肉ではない”ということは恐らくありません。硬いと思われる原因は恐らく、見た目の印象と、筋肉がつきすぎた結果、ある特定の方向に動きづらくなる場合があるからでしょう。例えば、大胸筋が盛り上がりすぎると、筋肉のデカさが邪魔をして、両腕を中央に寄せられない、という具合です。しかもこれも、薬を使って異常なくらい大きく発達しないと弊害が微々たるものです。
しかし、一方でディップスのように深く腕立て伏せをするようなときに、大胸筋はものすごく伸びています。
私たちは筋肉に最大収縮(ピークコントラクション)と最大伸張(フルストレッチ)をかけながら、思い通りの形に筋肉を造り上げていきます。ですから、もし大胸筋に柔軟性がなかったら、最大限の収縮と伸張が叶わず、筋トレによるボディメイクの効果を最大化できません。ですから、丁寧によく鍛えられている人ほど、むしろ筋肉は柔軟であるといえます。実際、トップのボディビルダーたちは、筋肉はすごく柔らかい。私もそうですが、ベターッと開脚できる人もたくさんいますからね。