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食事よりプロテイン優先で大丈夫? 食欲減退で「筋トレの良さ」を減らすリスク

「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。23限目のお題は「食事とプロテインの関係性」について。

プロテインは食事では摂りきれないタンパク質を補うためのもの
プロテインは食事では摂りきれないタンパク質を補うためのもの

連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』23限目」

「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。23限目のお題は「食事とプロテインの関係性」について。

 ◇ ◇ ◇

 Q.今、昼食時と夜のトレーニング後に、プロテインを飲んでいます。プロテインを飲み始めたら、食欲が減退。夕飯もあまり食べる気がおきません。順調に絞れているので、とりあえずご飯よりプロテイン優先で摂ってもいいですか?

 筋トレを始めると「せっかくだからプロテインを飲んでおこう!」と思いますよね。特にトレーニングの成果が目に見えて出ているようなので、プロテインの効果も実感していることでしょう。

 ただ、今はトレーニングと成果、そして気持ちがうまくハマっているので平気だと思いますが、いずれメシが食えない状態が辛くなってくると思います。

 私も以前、めちゃくちゃプロテインを飲んでいた時期がありました。当時は、1日2時間のトレーニングの間に、1時間くらいでペプチドを飲み、1時間45分くらいにプロテインを飲む、というサイクルでした。単位時間あたりのタンパク質摂取量が多すぎたのでしょう。当然、空腹感は生まれず、トレーニング後はメシを食う気になりませんでした。

 しかし、毎日非常にハードにトレーニングをこなしていたので、カロリーを摂取しないと、どんどんやせ細っていきます。だから、仕方なくメシを食べていましたが、義務的に流し込むようになり、何を食べても「おいしい」と感じにくくなってしまいました。メシが不味くても、タンパク質量をできるだけ摂る方が大事だと思っていたので続けていましたが、まさに苦行です。そのうち、トレーニング自体も楽しさが減り、ジムに行く足取りが重くなってしまいました。

 そんなある日、ふと筋トレを始めた頃を思い出しました。「昔は筋トレ後のメシがすごくうまかったなあ」と。

 当初、トレーニング後はいつもめちゃめちゃ腹が減っていたので、鶏胸肉でも、ただの白米でも、何を食べてもすごくうまく感じていました。トレーニングをして、メシを食べて、筋肉に栄養が回れば、イイ体になれる。しかも普段より美味しく感じるし、太りにくい。これが、筋トレの良さです。

 つまり、メシを美味しく食べられない自分は、筋トレの良さを大きく減らしてしまっている。プロテインは、筋トレの成果を上げる補助ツールの一つだったのに、いつの間にか、プロテインを飲むことが目的に、儀式になっていた。やっと冷静になり、自らメシを食べたくないと感じる状況を作り出すなんて、バカバカしいと気づきました。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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