夏に落ちる食欲 体作りに必要なタンパク質はどう摂る? 暑さに関係ないお手軽食材
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。
連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。
夏になると気温が上昇する一方、低下しがちな食欲。気づけば、体作りに必要な栄養素が足りないなんてことも珍しくない。では、何をどう食べれば、効率的に摂ることができるのか。中野氏がスポーツトレーナーの観点から、夏の食事について指南する。
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夏に向かって体作りを頑張ってきた人にとって、夏の食欲低下は思わぬ落とし穴。暑い日は冷やし中華、そうめん、そばなど、さっぱりしたものだけで満足しがちですが、これらの食事だけでは体作りに必要な栄養素が圧倒的に足りません。
とはいえ、ない食欲を振り絞って出せ、といわれても無理な話。食欲が低下した夏の食事は、三大要素といわれる「糖質・脂質・タンパク質」を、いかに簡単に、効率良く摂れるかを、最優先で考えましょう。
三大栄養素のなかで、食欲が低下するに伴い、最も足りなくなるのがタンパク質です。1日に最低限、摂ってほしいタンパク質量は、体重1キロに対して1グラム程度。体重60キロの人でしたら60グラム位が最低限の目安です。例えば、ご飯、味噌汁、魚料理、副菜が揃った一般的な和定食で摂れるタンパク質量が、1食約20グラム程度。つまり、3食同程度の食事としてやっと、体に最低限必要な量が摂れるのです。
つまり、1食でも簡単な軽食で済ませると、摂れるタンパク質量もゴッソリと減ってしまう、ということ。例えば、朝食にトーストとコーヒーだったらタンパク質はほぼゼロ。昼食にざる蕎麦だったら、ここでもほぼゼロ。タンパク質の含有量は鶏肉100グラムで約20グラムですから、足りない分を夕飯で摂ろうと思っても、せいぜい30~40グラム程度が限界でしょう。これでは体重60キロの人でも、必要量の半分しか摂れません。
では、食欲がない中、タンパク質をどう摂っていけばいいのか? トレーナーとしては、しっかり肉・魚を食べて欲しいのですが、やはり手軽に補給できる食材で、ちょこちょこ加算していく食べ方が、楽だし、現実的だと思います。
なかでも、牛乳と卵は暑さに関係なく摂りやすいタンパク源。しかも、これらは良質なタンパク質であるアミノ酸スコア100(※)の食品です。牛乳コップ1杯(200ミリリットル)、卵1個に含まれるタンパク質量は、ともに約6グラム(卵は大きさで多少変わります)。「トーストとコーヒー」の食事を「トーストの目玉焼きのせとカフェオレ(夏ならアイスにしても飲みやすいですよね!)」にするだけで、タンパク質量を10グラム程度は増やせます。米派ならもっと簡単に、卵かけご飯にしてサラサラッと食べられます。