1週間前から悪あがき? 忙しい大人こそ“ありのまま”に健康診断を受けるべき理由
不摂生を実感している人こそ“ありのまま”に健康診断を受けるべき
彼女は、ちょうど検査の数か月前に、食生活をチェンジ。「健康にいいから」と、沢山の健康食品やサプリメント、アボカド、ビーツ、マンゴーといった野菜や果物を毎日、過剰に摂るようになりました。いずれも、良質の油や抗酸化成分、ビタミンが豊富で体にいいといわれる食材でしたが、その後の血液検査で、高カリウム血症という結果に。実はそれらの食品はカリウムの含有量が多く、腎臓に負担を掛けていたとわかりました。
面白いことに、運動もやりすぎると、筋肉の破壊が過剰であることを示すCPK(クレアチンフォスフォキナーゼ、またはCK<クレアチンキナーゼ>)の値が上がるなど、数値が悪くなる場合もあります。運動も食もやりすぎれば、体に良かれと思ったことが、マイナスに働くこともあるのです。
血液検査は人間ドックでもできます。例えばマラソン大会に向けて追い込みをかけている時期など、なかなか疲れが抜けない、調子が上がってこない、などの症状があると貧血になっている場合もあります。ですから、ここぞという時に血液検査を受けると、今の体の状態を数値から見られるので、トレーニング計画の参考にもなるのです。
私自身も、血液検査の頃に「最近、運動量が少なく、食事量が多かったな」と思っていると、案の定、数値に悪い傾向が出てしまい反省することがあります。でも、そのことで却って身が引き締まり、仕事の仕方や運動量を見直すいい機会になっています。
「体重が増えたし、運動不足が気になる」「パンツのウエストがきつくなったかも」「酒を飲む機会が増えたな」と感じている人こそ、普段通りの生活を送ったまま、健康診断を受けましょう。結果、嫌な数値が出てしまっても、積極的に生活を見直す発奮材料にしてくださいね。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)