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コロナ禍で増加? 20~30代前半の男性にも目立つ「ぽっこりお腹体形」の危険

「お腹が出ていても元気でいられるのは、年齢が若いうちだけです」

 下半身の筋肉がしっかりついていれば、骨盤も脚の骨も正しい位置で安定します。ところが、筋肉量が低下すると骨盤や下肢が支えられなくなり、骨のジョイント部がどんどんずれていく。その結果がO脚やX脚です。O脚やX脚は関節や筋肉への負担も大きいため、今度は若いうちから、「膝が痛い」「腰が痛い」などの障害が発生。痛みがあると、ますます非活動的な生活になっていき、そうなると筋肉量や消費カロリーは減少する一方です。

 今後、コロナ禍が収まったとしても、テレワークが定着すれば、「週に1日、月1日、出社すればいい」という生活が待っています。つまり、今のままでは、運動量が異常に低いまま年齢を重ねることになり、下半身の筋肉はどんどん削られていきます。なかには収入が増えるにつれ、食事が贅沢になったり、アルコール摂取量が増えたりなど、摂取カロリーだけが増加していく、という人もいるでしょう。

 お腹が出ていても元気でいられるのは、年齢が若いうちだけです。10年、20年、30年先、もしかしたらメタボどころか、歩けなくなっているかもしれません。「お腹が出てきた」「脚が細くなってきた」という人は、今すぐ運動を始めてください。

 運動量の目安は、1日30分。運動の種類は何でも構いません。ウォーキングでもランニングでも、家族と一緒にバドミントンやサッカーをするのでもいい。一度に30分の時間が確保できないのであれば、ランチ後に15分、夕飯後に15分と分けてもOKです。とにかく30分間、毎日、続けることが大切です。

「暑いから外で運動をする気にならない」「あまり運動経験がないから、何をしたらよいかわからない」という方は、ステップエクササイズ(踏み台昇降)がおすすめ。昇る・降りるをくり返すこの運動は、大筋群が集中する下半身を使うため、実は、ランニングと同等のカロリー消費を期待できます。しかも、冷房の効いた室内で、映画でもYouTubeでも見ながら、快適に続けられる。毎日30分間、1か月も続ければ、成果を実感できます。

 そして、30分間の運動が習慣になったところで、スクワットやランジなど、下半身の筋力トレーニングをプラスしていく。あとは極端に食事量を減らさないこと。急激な減量は体脂肪だけではなくそれ以上に筋肉量を減らしてしまいます。間食は減らしても、食事はバランスよく食べましょう。

 油断してしまう気持ちがわからなくもないですが、20代、30代の前半で中年太りは早すぎます。今の腹のままでは、モテ体形を望むどころか、健康を維持することさえ難しくなります。

 一方、若い時ほど、運動の効果が出やすいのも事実。つまり、皆さんにとって、今この時が最も運動効果が出るベストタイミングです。今日からスタートして、自信の持てる引き締まった腹と体を取り戻しましょう!

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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