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「元運動部」こそ要注意 コロナ禍で始めたランニングで“陥りがちな罠”とは

障害予防に自分でできる3つの対策「筋トレ、ストレッチ、アイシング」

 一般的な障害予防として自分でできる対策は主に3つ。筋トレ、ストレッチ、アイシングです。

 筋トレは、スクワット、シングルスクワット、ヒップリフト、レッグエクステンションなどを行い、太ももとお尻の筋力をアップ。すると膝にかかる負担が軽くなります。現代人は活動量が減ってきているので、下半身の筋トレは毎日行ってOK。走る前のルーティンにすると、脂肪燃焼効果にもつながりやすいです。また、日常生活のなかでも歩くときは大股でキビキビ歩く、駅やビルではエスカレータではなく階段を使うと走るための脚づくりにつながります。

 ストレッチは走った後、筋温が高いときに行います。膝の痛みの予防に欠かせないのは、大腿四頭筋(太もも前側)、ハムストリングス(太もも裏側)、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、大臀筋(お尻)のストレッチです。イタ気持ちいい程度の伸びを感じるところで20~30秒キープし、2~3セット行いましょう。

 また、走った後に、「少し痛いな」「違和感があるな」と感じたら、すぐにアイシングを。アイシングをすると、冷やした部位の細胞や血管が収縮。神経細胞の活動が鈍くなります。すると痛みが軽くなるだけでなく、炎症の広がりも抑えることができるので、ケガの予防になります。

 簡易的なアイシングの方法ですが、シャワーでザッと汗を流し(痛みが強いときは入浴で温めすぎないようにして、少しでも早くアイシングを開始する)、その後、痛みや違和感、あるいは熱を感じる部分に氷の袋(食品保存用の袋などに入れる)を当てます。ラップなどを巻いて、固定してもいいでしょう。時間は20分程度で十分。それ以上冷やすと悪化する場合があるので注意してください。

 ただし、脚やお尻がつった場合はアイシングをしないこと。まずは、つったその場で軽くストレッチで伸ばす。走った後は湯船につかり、筋肉を温め、ゆるめるのが正解です。

 今まで運動経験のない方はアイシングと聞くと大げさだなと思うかもしれませんが、痛みや違和感を放置すると、知らない間にダメージがジワジワと体に広がります。すると、ある日突然、身体に限界が来て、ひどい痛みに襲われることになる。油断は禁物です。

 せっかく身に着いた運動習慣をケガや痛みのせいで中断し、ゼロに戻すのはもったいない。対策はランの前後にできるので、走る日は必ず、体をいたわりましょう。ただし、すでに強い痛みがある人は、自分で何とかしようとせず、病院で診察を受けてくださいね。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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