東京五輪、これまでの五輪と違う10のこと 延期、無観客、バブル方式…国際交流も変化
五輪のだいご味、国際交流の機会は激減
■メダル
アスリートに授与する約5000個のメダルはリサイクル金属で製作。メダルすべてが再生金属で作られたのは五輪史上初の試みだった。2017年4月からの2年間で「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を実施し、全国から小型家電や使用済みの携帯電話を回収。必要な金属を確保した。SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの一環。
■取材体制
カメラマンは毎日検査、記者や放送関係者は4日に1回、選手と全く接触する可能性がなくても7日に1回の検査が義務づけられた。競技会場での取材はこれまで一部の人気競技にしか適用していなかった抽選制を強化。競技直後の取材エリア「ミックスゾーン」や会見に出席する取材陣の数を抑制し、感染対策との両立を図った。
■スポンサー
大会ごとに大勢の人でにぎわいを見せる企業ブースは取りやめる動きが目立った。五輪の記念になるよう、工夫をこらした展示や体験型ブース、開催都市の名物が味わえる飲食店は競技会場の近くに設置され、気軽に五輪ムードを楽しめる催しの1つ。しかし、臨海部で予定していたパビリオンもその多くが一般公開中止に。最高位スポンサーのトヨタ自動車は五輪関連CMの国内放送を見送る事態となった。
■国際交流
五輪のだいご味である国際交流の機会は大きく失われた。事前トレーニングキャンプは医療体制の問題で自治体が受け入れを見送ったり、選手団が断りを入れたケースが多発した。交流は最小限に抑えられ、ホストタウンは対応に追われた。公園や駅前でのパブリックビューイングは密を避けるため中止に。観客を誘導する大会ボランティアは役割を失った。五輪で人気が高い、愛好家によるピンバッジ交換「ピントレーディング」も盛り上がりを欠いている。
(THE ANSWER編集部)