南アフリカ、ラグビーW杯史上最多4度目V! 王国NZと12-11の歴史的死闘、連覇で勝者も敗者も涙
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会は28日(日本時間29日)、決勝が行われ、世界ランク1位の前回王者・南アフリカが2位ニュージーランドに12-11で勝利した。過去最多3度の優勝を誇る両国の対戦。互いに譲らない最強国同士が息詰まる歴史的死闘を演じた。
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ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会は28日(日本時間29日)、決勝が行われ、世界ランク1位の前回王者・南アフリカが2位ニュージーランドに12-11で勝利した。過去最多3度の優勝を誇る両国の対戦。互いに譲らない最強国同士が息詰まる歴史的死闘を演じ、南アフリカが単独最多4度目の優勝を飾った。
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ラグビー王国ニュージーランドに対し、南アフリカは開始早々にアクシデントに襲われた。前半3分に危険タックルを受けたHOボンギ・ムボナンビが負傷交代。ペナルティーゴール(PG)で3点を先制したが、痛手を負った。同13分にもPGで3点追加。同17分にニュージーランドがPGで3点を返したが、6-3の同19分に南アフリカが3本目のPGを決めた。
がっぷり四つのスクラムは互角。ニュージーランドは速い展開で攻めに出るものの、固い防御を破れない。すると同29分、主将のFLサム・ケインの右肩が相手の顔面に入る危険タックル。のちにレッドカード判定でW杯決勝史上初の退場者となり、大黒柱を欠く窮地に立たされた。互いにPGを1本ずつ重ね、12-6の南アフリカリードで前半を折り返した。
後半は数的不利のオールブラックスが果敢に攻めた。同11分、ペナルティーからキックではなくトライを狙ったが、残り5メートルでノックオン。同14分には、SOリッチー・モウンガがフェイントを入れながら相手2人を振り切り、30メートルほど独走。最後はオフロードパスからSHアーロン・スミスがインゴールへ。大歓声に包まれたが、直前のラインアウトでノックオンがあり、ノートライ判定で逆転機は幻に終わった。
だが、諦めない。同18分に敵陣残り約10メートルのラックから左に素早く展開。飛ばしパスを入れ、こぼれ球を拾ったFBボーデン・バレットがトライを決め、11-12に迫った。同33分、南アフリカのWTBチェスリン・コルビが相手のパスをはたいてイエローカードのシンビン(一時退場)。ニュージーランドは右からの約40メートルのPGをCTBジョーディー・バレットが外し、逆転はならなかった。
客席のファンは終了前から涙。ニュージーランドは終盤2分で攻め続けたが、ノックオンでボールを奪われた。残り23秒で南アフリカボールのスクラム。最後は王者が守り切り、ノーサイドを迎えた。勝者も、敗者も涙。1点差の歴史的死闘は大興奮の中で幕を閉じた。
伝統を持つ両国は106回目の対戦となり、これまでニュージーランドの62勝39敗4分け。ニュージーランドは2大会ぶり4度目、南アフリカは2大会連続4度目の世界一が懸かっていた。27日(同28日)の3位決定戦に臨んだイングランドが3位、アルゼンチンが4位。1次リーグ2勝2敗だった日本はプールD3位で敗退だった。
(THE ANSWER編集部)