ラグビーW杯プールD、日本がサモアと対戦

　ラグビーワールドカップ（W杯）フランス大会は28日（日本時間29日）、プールD第3戦で世界ランク13位の日本が同12位サモアと対戦した。28-22で勝利し、勝ち点4を獲得。2大会連続の決勝トーナメント進出へ王手をかけた。FLリーチ・マイケル、主将のNo.8姫野和樹らがトライを決め、今大会2勝1敗としてイングランドに次ぐ組2位に。10月8日の次戦で同9位アルゼンチンを破れば、2019年日本大会に続く8強入りを自力で決められる。

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　日本はここまで2試合に先発していた副将のSH流大が急遽欠場。27日の前日練習ではコンディション調整のためホテルに滞在していた。リザーブ登録の齋藤直人が先発、代表0キャップの福田健太がリザーブ入りした。FBレメキ・ロマノラバも今大会初スタメンとなった。試合開始前、会場周辺は両国ファンの友好ムードも生まれていたが、日本の会場入りでは歓声とともに若いサモアファンからブーイングも浴びせられた。

　サモアには7月のテストマッチで22-24で敗戦している日本。流もサポートする中で練習を終え、負けられない大一番がスタートした。試合が動いたのは13分。日本がスクラムから左に展開し、レメキがスピードを生かして一気に前進。最後はFLピーター・ラブスカフニが先制トライを決めた。場内大歓声。SO松田力也のCKも決まり、日本が7点リードとなった。対するサモアは25分、PKで3点を返した。

　日本は28分にPKを松田が成功。さらに32分、大外でパスを受けたリーチが今大会2度目のトライ。松田のCKも成功して17-3とリードを広げた。これで今大会はキック13本すべて成功。サモアは一連のプレーの中で、SHジョナサン・タウマテイネがシンビン。10分間の一時退場となった。一方日本も、HO堀江翔太が相手と顔面同士でぶつかったことにより、TMOバンカーシステムで一時退場。その後サモアHOセイララ・ラムのトライで5点を返されたが、CKは外れて17-8と日本がリードで前半を終えた。

　堀江はイエローと判定され、迎えた後半。日本は姫野が代名詞「ジャッカル」でボールを奪取。その後、ラブスカフニが相手WTBベン・ラムの危険タックルを受けた。ラムはTMOバンカーシステムで一時退場。日本は屈強なサモアをモールで押し込み、姫野が大会初トライを決めた。松田のCKは外れ今大会14本目で初の失敗となった。ラムはレッドカードとなり、日本が数的優位の状況となった。

　56分、松田がPKに成功して25-8とリードを広げる。さらに63分、WTB松島幸太朗がスピードを生かして独走トライを決めたかに見えたが、直前でノックオンがあったため幻となった。逆にサモアFBダンカン・パイアアウアのトライを許し、CKも成功したことで25-15となった。しかし75分に松田がまたもPKに成功。終盤サモアの追い上げに遭うも、なんとか逃げ切った。

　日本はプールD第1戦でチリに快勝したが、第2戦で強豪イングランドに12-34で敗戦していた。サモア、アルゼンチン戦に勝てば2大会連続の8強入りを自力で決められる一方、サモアに敗れれば自力突破の可能性が消滅。アルゼンチン戦勝利が絶対条件となり、他国の勝ち点に委ねられる厳しい状況になっていた。