稲垣啓太「負けるビジョン見えなかった」 14人で圧倒パナソニック、最強V3時代を彷彿
ラグビーのトップリーグ(TL)第4節は2日、キヤノン―パナソニック戦が東京・町田GIONスタジアムで行われ、パナソニックが51-17で開幕4連勝を飾った。昨秋のワールドカップ(W杯)日本代表では、パナソニックはPR稲垣啓太、HO坂手淳史、SO松田力也、キヤノンはSH田中史朗、SO田村優が先発。パナソニックは開始直後に坂手が一発退場となったが、1人少ない状況で首位を守り、稲垣は「負けるビジョン見えなかった」と振り返った。
パナソニックは開始3分で1人退場、7トライでキヤノン圧倒
ラグビーのトップリーグ(TL)第4節は2日、キヤノン―パナソニック戦が東京・町田GIONスタジアムで行われ、パナソニックが51-17で開幕4連勝を飾った。昨秋のワールドカップ(W杯)日本代表では、パナソニックはPR稲垣啓太、HO坂手淳史、SO松田力也、キヤノンはSH田中史朗、SO田村優が先発。パナソニックは開始直後に坂手が一発退場となったが、1人少ない状況で首位を守り、稲垣は「負けるビジョン見えなかった」と振り返った。
パナソニックがいきなり苦境に立たされた。ボールを持った坂手が、タックルに来た相手の顎付近に肘打ちをし、危険とみなされて一発レッド。主将の退場に場内からどよめきが起き、開始3分で1人少ない状況に追い込まれた。先制トライを許したが、そこから底力を発揮した。
10分にCTBディラン・ライリーのオフロードパスからCTBダミアン・デアリエンディがゴール右にトライ。松田がコンバージョンを決めて7-5と逆転した。16分にはFLベン・ガンターに代えて堀江翔太を投入。10-10の35分には、フィールド中央でボールを持ち出した堀江がパスをつなぎ、ボールを持った松田がスペースに走り込んで約20メートルゲイン。ボールを受けたライリーがゴール目前で出したパスは、誰にもつながらなかったが、こぼれたボールをSH内田啓介が拾ってトライを決めた。
徐々に点差を広げて22-10で後半へ。後半も3トライを奪い、今季全4戦で3トライ差以上の勝利に与えられるボーナスポイントを獲得。勝ち点5を重ねて計20の単独首位を守った。
稲垣は「1人少なくなったのは想定外。でも、想定外とはいえ練習もしてきた。求められるのは一人一人の仕事。負けるビジョンは全く見えなかった。一人一人が仕事を遂行できている」と胸を張った。チームリーダーの堀江が入ったことで落ち着きがさらに増した。稲垣は堀江とともにチーム全体に声かけ。「1人少なくなってもやることは変わらない。1人少ない分、仕事量を高める。それがハマった」と振り返った。
チームに入団して7年目。2013-14年シーズンから3連覇した時の強さを彷彿とさせたという。
「僕は一番強い時代を知っている。今日はその時の絶対に負けないだろうという雰囲気を感じた。『一人減っても問題ないでしょ』『減ったから何?』というようなものを試合中に感じた。昔と今で比べられるものではないですけどね。3連覇した時は本当に負ける気がしなかった。調子に乗っているというわけではなく、4試合やるべきことをやった」
4季ぶりの優勝へ好調を維持。第5節はパナソニックが同じ4連勝中の東芝と15日に熊谷ラグビー場で激突する。リーチ・マイケル擁するチームとの対戦だが「自分たちはこれが最高潮ではない。相手に特別な意識はないし、やるべきことをやるだけ。1試合も緩まないようにやりたい」と気を引き締めた。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)