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ラグビー選手・稲垣啓太 「笑う」とか「笑わない」とかじゃない、29歳の思考と本音

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で8強入りした日本代表プロップ(PR)稲垣啓太(パナソニック)がこのほど、「THE ANSWER」の独占インタビューに応じ、普段、語られることのない「笑わない男」の思考と本音を明かした。

THE ANSWERの独占インタビューに応じた稲垣啓太【写真:荒川祐史】
THE ANSWERの独占インタビューに応じた稲垣啓太【写真:荒川祐史】

「稲垣啓太の頭の中」に迫る、20分間の“編集なしインタビュー”

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で8強入りした日本代表プロップ(PR)稲垣啓太(パナソニック)がこのほど、「THE ANSWER」の独占インタビューに応じ、普段、語られることのない「笑わない男」の思考と本音を明かした。

 日本中に感動を呼び、空前のラグビーブームを起こしたW杯。稲垣はFW陣の最前線で体を張ったプレーで牽引し、大会以降はメディアの引っ張りだこに。しかし、流行語大賞にもノミネートされた「笑わない男」というキャラクターが先行し、素顔が見えにくくなったようにも思う。そこで、今回は敢えて競技そのものより稲垣の人格に切り込んだ。

 W杯後に話題となったプロ野球・日本シリーズの名解説、的確なコメント力を生んだ2つの経験、「笑わない男」でキャラクター化したことの分析――。20分という時間の中で「笑う」とか「笑わない」とかじゃない「稲垣啓太の頭の中」に迫った。(聞き手=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

――今日はよろしくお願いします。W杯以降、「笑わない男」として世間に認知されました。一方で「笑わない男」にフォーカスされすぎて、稲垣選手の本当の個性が見えにくくなったようにも感じます。今回は「本当に笑わないんですか?」みたいな話はなしにして、「稲垣啓太の頭の中」というテーマでお伺いしたいと思っています。

「はい。よろしくお願いします」

――W杯以降、あらゆるメディアに出演されました。その中で個人的に最も印象に残ったのは10月23日にプロ野球の日本シリーズ・巨人―ソフトバンク戦で務めたゲスト解説でした。

「しましたねぇ。させて頂きましたねぇ」

――驚いたのは喋りの上手さです。こんなにコメントが的確で洗練されたアスリートがいるのかと。

「喋れるぶってただけですけどね」

――高橋由伸さん(前巨人監督)、松坂大輔さん(現西武)という野球界のスターに挟まれ、中継席に座りました。ご自身のラグビーの経験を野球に落とし込んだ巧みなコメントに惹き込まれました。当時の意図を振り返ってもらえますか?

「まず、僕は小さい頃、野球をずっとやっていたんです。その時のスターが両サイドにいるわけですよね。本当に光栄なことでしたし、呼んで頂いたことも本当に嬉しかったんです。『俺でいいのか』という部分もありましたけど、呼んで頂いて自分が何を話すことができるかを考えた時、小さい頃に野球をやっていたとはいえ、(目の前で)出ている選手たちはプロ選手であって、日本の野球界のトップの選手たち。その技術に対して、僕が触れてはいけないと思いましたし、それが礼儀だと思いました。

 じゃあ、何か話せるものはないかと探した時、ラグビーと似たようなシチュエーションはないかと。『こういった似たようなシチュエーションは実はラグビーにもあってですね。こういった感情がこの時は生まれているんじゃないでしょうかね』とか『非常にプレッシャーがかかっているんじゃないかと思うんですけど、これから先、どう攻略していくのか非常に楽しみです』とか。少しずつ自分の背景と照らし合わせてなら、お話しすることができるんじゃないかと思って、やらせて頂きました」

――ファンの間でも「解説が上手すぎる」などと話題になりました。ご自身の解説者としての評価はどうでしたか?

「“下の下”でしょうね」

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