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五輪絶望翌日に涙の1勝「コートでは泣かない」 バレーカナダの“全力で戦う意味”を収めた1枚

バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024福岡大会は16日、北九州市の西日本総合展示場で女子第3週の最終日を迎えた。パリ五輪の出場権のない国にとっては、代表枠を争う最終決戦。カナダは格上の日本に大逆転勝ちしながら、夢に届かなかった。五輪が絶望的状況になっても全力バレーを展開。試合後に撮られた1枚には、最後まで戦う意味が詰まっているようだった。

女子バレーカナダ代表【写真:VNL提供】
女子バレーカナダ代表【写真:VNL提供】

買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会

 バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024福岡大会は16日、北九州市の西日本総合展示場で女子第3週の最終日を迎えた。パリ五輪の出場権のない国にとっては、残りの枠を争う最終決戦。カナダは格上の日本に大逆転勝ちしながら、夢に届かなかった。五輪が絶望的状況になっても全力バレーを展開。試合後に撮られた1枚には、最後まで戦う意味が詰まっているようだった。

 最後のポイントが決まった後、健闘を称え合う姿は静かだった。

 15日のフランス戦。カナダはストレート勝ちした。直後、選手たちは顔を覆った。涙を拭う。苦楽をともにしてきた仲間同士、順番に抱き合いながら耳元で言葉を交わした。クールダウンのストレッチ中も涙は止まらない。五輪出場の夢は絶望的状況。そんな姿が大会公式カメラに収められていた。

 13日に日本を3-2の大逆転で破り、望みを繋いだ。だが、14日に同じく当落線上にいたオランダに敗戦。そして一夜明け、フランスに1セットでも獲られたら五輪切符がなくなる中、3-0で勝ち切った。しかも第3Sは31-29。デュースが続く痺れる展開で諦めず、死力を尽くした。

 主将のグレイは言った。「昨日の敗戦があったので、チームは気持ちを取り戻さないといけなかった。みんなファイトがあるから素晴らしかった。(試合中の)コートで泣かなかったのがよかったわ」。失意に暮れる選手たちに、胸を打たれた日本の客席からは温かい拍手。コートに伏せて顔を覆う選手もいた。

 その後は日本のファンへ、サインや写真撮影に対応。その中には小さな子どももいた。「私たちのプレーを見てもらえて嬉しいです。アリガトウ」とキャプテン。今大会は日本戦以外にも連日数千人が客席を埋めた。

 結果的にオランダが16日の韓国戦で第1Sを奪った時点で、カナダの五輪行きが完全消滅。夢には届かなかったが、どんな状況でも立ち向かう執念は確かに日本のファンに伝わった。戦い続けたことには大きな意味があった。

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