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「ちょっとでも上げてもらったら絶対に繋いでやる」 Vリーグ一発勝負の崖っぷちで拾った一人の執念

バレーボールのV1リーグ女子ファイナルステージ準々決勝が24日、東京・片柳アリーナで行われ、今季6位のトヨタ車体が同3位の久光スプリングスにフルセットの末、3-2(25-23、23-25、24-26、25-20、15-13)で競り勝った。負ければ優勝の道が閉ざされる一発勝負。上位のチームからの劇的勝利で、印象に残ったワンプレーがあった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

コート外に落ちそうなボールをなんとか拾ったトヨタ車体の大川愛海【写真:中戸川知世】
コート外に落ちそうなボールをなんとか拾ったトヨタ車体の大川愛海【写真:中戸川知世】

THE ANSWER編集部・新人カメラマンフォトコラム

 バレーボールのV1リーグ女子ファイナルステージ準々決勝が24日、東京・片柳アリーナで行われ、今季6位のトヨタ車体が同3位の久光スプリングスにフルセットの末、3-2(25-23、23-25、24-26、25-20、15-13)で競り勝った。負ければ優勝の道が閉ざされる一発勝負。上位のチームからの劇的勝利で、印象に残ったワンプレーがあった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

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 コート外に落ちようとするボールに懸命に食らいついた。伸ばした両手ですくい上げる。拾ったボールで味方のスパイクが決まると、繋いだ大川愛海(あいみ)は跳ね、人一倍大きなガッツポーズを両手で作って歓喜した。

 レンズ越しに見ていた私は「大川が取った1点だ」と思った。

 1-2で迎えた第4セット、ここを落とせば優勝がなくなる崖っぷち。10-7とリードした場面だった。リベロが弾いたボールに向かって背番号16がネット際から走って追いつく。勢いそのままに流れた175センチの体が横になって、フェンスまで滑っていった。

 点を決めたのは別の選手で、記録には残らないが、印象に残ったワンプレー。このセットを取ったチームはフルセットの末に勝った。

 この日はサーブレシーブが60回と狙われた大川。少し崩れる場面もあったが、高橋悠監督は「ハイセットの決定率が上がっていたので起用し続けた」と信じた。鋭いスパイク、落ちそうなボールを何度も拾った。

 試合前から粘って戦うことをチームで共有し、レギュラーシーズン3位の久光を破った下剋上。

「ちょっとでも上げてもらったら絶対に繋いでやる」――。

 その裏に、繋ぎのスタイルを体現した大川の執念があった。

(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)

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