[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

W杯大一番で見たラグビー王国NZの規律 勝敗を分けた小さな差、試合前に見つけた象徴的な景色

連日熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は20日(日本時間21日)に行われた準決勝でアルゼンチンを44-6で破ったニュージーランドから。

アルゼンチンボールのラインアウト、ニュージーランドのホワイトロックが手を伸ばしてわずかにタッチ、アルゼンチンボールを奪った【写真:イワモトアキト】
アルゼンチンボールのラインアウト、ニュージーランドのホワイトロックが手を伸ばしてわずかにタッチ、アルゼンチンボールを奪った【写真:イワモトアキト】

ラグビーW杯フランス大会 カメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラム

 連日熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は20日(日本時間21日)に行われた準決勝でアルゼンチンを44-6で破ったニュージーランドから。

 ◇ ◇ ◇

 それは僅差、ほんのわずかの差だった。ただその差が勝敗を分けたように見えた。それはW杯の大一番で見たニュージーランドの規律(Discipline)。

 ニュージーランドとアルゼンチンによる準決勝。攻めても、守っても、ニュージーランドの“らしさ”があふれる試合だった。チームの中で決められたプレーを順守しながらも想像的に、軽やかなテンポとリズムで相手をかわし、いくつものトライを奪った。

 印象としては「5:2」。どんな場面でもニュージーランドが5人に対してアルゼンチンが2人、次々とフォローの選手が現れてはボールを敵陣深くへと運んでいく。ピッチ上には等しい数の選手がいるはずだが、ファインダー越しの世界は黒衣の選手があふれていた。

準々決勝、チーム内の規律違反でメンバーから外されたマーク・テレア。準決勝ではメンバーに戻り、オールブラックスの勝利に貢献した【写真:イワモトアキト】
準々決勝、チーム内の規律違反でメンバーから外されたマーク・テレア。準決勝ではメンバーに戻り、オールブラックスの勝利に貢献した【写真:イワモトアキト】

 チームのために、自らがやるべきことは何か。ラインアウト、スクラム、すべてのプレーにおいてオールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)選手全員が、一つの生き物として連動する様は美しく、圧巻だった。

試合前のニュージーランド側ピッチ。整然と置かれたボールにニュージーランドの規律への意識の高さを感じさせた【写真:イワモトアキト】
試合前のニュージーランド側ピッチ。整然と置かれたボールにニュージーランドの規律への意識の高さを感じさせた【写真:イワモトアキト】

 そんなオールブラックスの規律を象徴するかのような景色を、試合のピッチで見つけた。それはゴールラインに整然と並べられた26個のボール。精密機械の様に正確に、自らのリズムを刻むオールブラックスのラグビーは80分が全てじゃない。試合はキックオフの前からすでに始まっていた。

■イワモト アキト / Akito Iwamoto

 フォトグラファー、ライター。名古屋市生まれ。明治大を経て2008年に中日新聞入社。記者として街ネタや事件事故、行政など幅広く取材。11年から同社写真部へ異動。18年サッカーW杯ロシア大会、19年ラグビーW杯日本大会を撮影。21年にフリーランスとなり、現在はラグビー日本代表の試合撮影のほか、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEオフィシャルフォトグラファーを務める。

(イワモト アキト / Akito Iwamoto)

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集