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ラグビー日本代表から退く31歳・流大 W杯、終わりの瞬間 引退という言葉は退化を意味しない

連日熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は今大会限りで代表を引退する31歳・流大。

試合後のピッチで流大を優しく抱きしめるジェイミー・ジョセフHC【写真:イワモトアキト】
試合後のピッチで流大を優しく抱きしめるジェイミー・ジョセフHC【写真:イワモトアキト】

ラグビーW杯フランス大会 カメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラム

 連日熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は今大会限りで代表を引退する31歳・流大。

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 アルゼンチンとの激戦を終えた選手たちが、ファンの大歓声に応えながらスタジアムをゆっくりと周る。日本代表のW杯が、幕を閉じようとしていたその時だった。

 196センチのジェイミー・ジョセフHCの巨体が、166センチの流大を包み込むように優しく抱きかかえた。長きに渡り日本代表を背負ってきた流のW杯が、終わりを告げた瞬間のように思えた。

 W杯初陣となったチリ戦では怪我で出られない姫野和樹に代わって主将を務めた。第2戦のイングランド、マロ・イトジェをはじめとした巨漢を相手に幾度となくタックルを決め、攻守に渡ってチームを支えた。

イングランドのマロ・イトジェにタックルする流【写真:イワモトアキト】
イングランドのマロ・イトジェにタックルする流【写真:イワモトアキト】

 2017年の初キャップでいきなりの主将デビュー。小さなリーダーは、常に大きな役割を担ってきた。その背中を後輩たちが追いかけた。怪我でメンバーを外れたサモア戦、斉藤直人がダイナモとなってチームを引っ張った。後半には福田健太がゲームを締めた。2人の活躍を誰よりも喜んでいたのは流だった。

サモア戦の後、スクラムハーフとしてチームを引っ張った斉藤直人を労う流【写真:イワモトアキト】
サモア戦の後、スクラムハーフとしてチームを引っ張った斉藤直人を労う流【写真:イワモトアキト】

 今W杯を最後に代表引退を表明している流。引退という言葉は、決して退化を意味しない。きっとまだまだ進化は続く。リーグワンでその勇姿を追いかけたい。

■イワモト アキト / Akito Iwamoto

 フォトグラファー、ライター。名古屋市生まれ。明治大を経て2008年に中日新聞入社。記者として街ネタや事件事故、行政など幅広く取材。11年から同社写真部へ異動。18年サッカーW杯ロシア大会、19年ラグビーW杯日本大会を撮影。21年にフリーランスとなり、現在はラグビー日本代表の試合撮影のほか、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEオフィシャルフォトグラファーを務める。

(イワモト アキト / Akito Iwamoto)

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