[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ピンクのメガホンの向こうで一礼した1年生 美しい瞬間、応援席越しにとらえた日大藤沢の絆

第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回は、日大藤沢の1年生がスタンドに向けた一礼。18日に等々力球場で行われた5回戦の横浜隼人戦、4回裏にタイムリーを放った半田南十(1年)は攻守交替で守備位置に就くと頭を下げ、声援に感謝を表した。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

ピンクのメガホンの向こうで応援席に一礼する日大藤沢・半田南十【写真:中戸川知世】
ピンクのメガホンの向こうで応援席に一礼する日大藤沢・半田南十【写真:中戸川知世】

THE ANSWER編集部・新人カメラマン「夏の高校野球神奈川大会フォトコラム」

 第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回は、日大藤沢の1年生がスタンドに向けた一礼。18日に等々力球場で行われた5回戦の横浜隼人戦、4回裏にタイムリーを放った半田南十(1年)は攻守交替で守備位置に就くと頭を下げ、声援に感謝を表した。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

 ◇ ◇ ◇

「みなと! みなと! みなと!」

 5回表。日大藤沢ナインが守備に向かうと、直前の攻撃でタイムリーを打った選手の名前がコールされる。応援席越しに盛り上がりを収めようとカメラを構えた。すると、三塁側をびっしりと埋め尽くしたピンクのメガホンの向こうで、セカンドの位置に就いた半田が応援席に一礼した。

 思わずシャッターを切った。野球部の野太いエールと吹奏楽部の美爆音が送られ、とても美しい瞬間だった。

「スタンドにいる部員や親に感謝の気持ちを込めて」

 プレーだけでなく、普段から人間性を大事にしている半田。支えてくれている人たちへの「ありがとう」を表した一礼だという。

 1年生で唯一ひと桁の背番号4をもらい、「6番・二塁」で出場。中学ではクラブチームだったため、吹奏楽や応援を受けるのが初めて。「辛い時はスタンドを見て、元気をもらいます」。初めての夏、声を枯らす仲間の声援に自分を奮い立たせている。

 なかにはベンチ入りできず日に照らされ、汗だくになって応援してくれている上級生もいる。「3年生を甲子園に連れていくためにも常に全力プレーで臨みたい」。今大会で引退する3年生の想いも背負い、1試合でも多くともに戦う。

 すぐ近くの応援席から撮影していると、屋根に反響する音と盛り上がりをまざまざと感じた。ミッキーマウスのようにメガホンで耳を作って踊って応援するなど、陽気な雰囲気に選手も自然と笑顔になり、きっと元気をもらえるだろうと納得だった。

 試合後の取材中、半田はベンチ入りしている上級生から肩をポンと叩かれた。「半田、マジでナイス!」。夢中でプレーする最中も感謝を忘れず、丁寧に一礼する。そんな実直な姿を見ているからこそ、先輩も信頼を寄せているのかもしれない。

 グラウンドとスタンド、それぞれが繋がった日大藤沢の絆を感じた。

(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集