米国選手に抱え上げられ、手を振った三原舞依 互いのリスペクトこそフィギュアの美しさ
フィギュアスケートの世界国別対抗戦が13日から東京体育館で開催された。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載。今回は16日に行われたエキシビション。
フォトグラファー・矢口亨のフィギュア世界国別対抗戦フォトコラム
フィギュアスケートの世界国別対抗戦が13日から東京体育館で開催された。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載。今回は16日に行われたエキシビション。
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三原舞依(シスメックス)はエキシビションのフィナーレでジェイソン・ブラウン(米国)に抱え上げられながらスタンドに手を振った。
フィギュアスケートは競技の特性上、まずは自分自身のベストを尽くすことに個々の選手が集中しているし、アイスショーなどで他の選手と過ごす時間が長いため互いに仲が良く、リスペクトする気持ちが強いように感じる。
この日は選手は自国の応援席ではなく、それぞれ好きな場所で他のスケーターの演技を見守った。チャ・ジュンファン(韓国)とイリア・マリニン(米国)は隣り合って座り、坂本花織(シスメックス)のアンコールの際にはファンと一緒に「かおちゃんコール」を送った。
国別対抗戦はチームメートとして共に戦う自国の選手だけではなく、国籍を越えたスケーター同士の関係性が可視化されやすい。この互いのリスペクトこそがフィギュアスケートの美しさであり、特有のエンターテイメント性なのだと思う。
■矢口 亨 / Toru Yaguchi
フォトグラファー。山形県上山市生まれ。上智大を経て02年に報知新聞社入社。12年ロンドン五輪、21年東京五輪、22年北京五輪などを取材。フィギュアスケートの撮影は19年の世界選手権(埼玉)から。今年2月に退社し、フリーに転身。著書に写真集「羽生結弦2019-2020」「羽生結弦2021-2022」など。
(矢口 亨 / Toru Yaguchi)