「お祝い中にメダル剥奪」 5位→銅→5位に落ちた米女子が外野の声に悲痛「人種差別に心が痛む」
パリ五輪では閉幕後もメダルをめぐる混乱が続いている。5日に行われた体操女子の種目別床決勝で、当初5位とされた米国のジョーダン・チャイルズは採点見直しを要求し一時3位となったが、後にこれが時間オーバーで無効とされ5位に戻った。チャイルズは「言葉がありません」と落胆している。
米国のジョーダン・チャイルズが翻弄された採点
パリ五輪では閉幕後もメダルをめぐる混乱が続いている。5日に行われた体操女子の種目別床決勝で、当初5位とされた米国のジョーダン・チャイルズは採点見直しを要求し一時3位となったが、後にこれが時間オーバーで無効とされ5位に戻った。チャイルズは「言葉がありません」と落胆している。
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5日の床決勝で、チャイルズは3位に0.034点届かず5位となった。しかし、チャイルズ側が審判の採点見直しを要求できるシステム「インクワイアリー」を利用。得点が変わり、一時は銅メダルと認められた。
一方、4位に繰り下がったアナ・バルボス(ルーマニア)側はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立て。10日(日本時間11日)になって、チャイルズ側の異論は1分間の期限が過ぎた後に提出されていたとして、順位変更は無効に。国際体操連盟によりチャイルズを再び5位とする裁定が出された。
チャイルズは15日(同16日)になってXに長文の声明を掲載した。「私はこの数日間に受けた愛に圧倒されています」と周囲に感謝した上で「私の五輪の成績をお祝いしている時、銅メダルが剥奪されたという信じられないニュースを聞きました。USAG(米体操連盟)の訴えには私の採点がルールに則ったものであるという決定的な証拠があるという自信がありました。その訴えは失敗しました」と率直な心境をつづっている。
さらに「言葉がありません。この決定は私だけでなく、私とともに戦ってくれた皆にとって不公平かつ大打撃であるように感じます。この悲痛に加え、ソーシャルメディアでの自発的な人種差別は間違っており、とても心が痛みます。私はこのスポーツに心と魂を捧げ、文化と国を代表できることを誇りに思います」と吐露。SNSを通じて差別的な言葉を投げかけられていると示唆した。
最後に「私は今、キャリアの中で最も厳しい試練の一つに立ち向かっています。正義はなされたと確かにするためにあらゆる努力をします。この旅の終わりに、この事態を掌握する人間が正しいことをしてくれると信じています」と、問題の解決を願っている。
(THE ANSWER編集部)