初防衛の村田諒太が胸中吐露 強敵を求む声に「応えたいけど、心のどこかで怖いと…」
ボクシングのトリプル世界戦が23日、神奈川・横浜アリーナで行われ、WBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)は同級8位スティーブン・バトラー(カナダ)に5回2分45秒TKO勝ちし、初防衛に成功した。前回の同王座に就いていた期間を含めて2度目の防衛成功。爽快なKO劇で強さを見せつけた33歳は試合後の会見で胸中を吐露。試合を振り返り、群雄割拠のミドル級で戦う王者として悩みを告白した。
爽快KO後の会見一問一答、33歳でスタイル確立「もうこれで大丈夫。もう変えない」
ボクシングのトリプル世界戦が23日、神奈川・横浜アリーナで行われ、WBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)は同級8位スティーブン・バトラー(カナダ)に5回2分45秒TKO勝ちし、初防衛に成功した。前回の同王座に就いていた期間を含めて2度目の防衛成功。爽快なKO劇で強さを見せつけた33歳は試合後の会見で胸中を吐露。試合を振り返り、群雄割拠のミドル級で戦う王者として悩みを告白した。
【以下、主な一問一答】
――試合を振り返って。
「控室で調子がよかったので、パっと終わるかもしれないと自分の中で変な期待を持ってしまったので、初めはちょっと狙ってしまった。控室で凄く調子がいいと試合であまり結果が出ない。その二の舞にならないかなと思っていた」
――相手について。
「もっと足を使ってくると思った。凄いジャブが固くて右も貫いてきた。いいものを持っている。24歳で世界タイトルに挑戦して、これから伸びるようなものを持っているんだと。強い相手でした」
――左ジャブがしっかり当たった。試合のコントロールはできた?
「結果は5回で終わったので。ジャブだけで判定までいっていたら満足できないので、そこはそこ。ジャブ自体は悪くなかった。前の試合が早く終わって、いいところを見せたいという思いがどこかしらあった。そこは経験値だと思うし、いい試合をした後ってどうしてもいい試合を見せたい。それはしょうがないこと。それを乗り越えたのは合格点だと思う。抑えなきゃって思うと、人間の気持ちってどんどん強くなる。これはこの気持ちをできるだけ放っておこうと思っていた」
――強引に右を何発か打った。仕留めたいという思い?
「ですね。会長にはセコンドで凄く『冷静に、冷静に』とずっと言われていた。冷静にいけばいいと。その言葉はなかなか聞けなくて、初めにもっとこらえることはできなくて、そこはもっと反省すべきところかなと思います」
――左目が腫れている。
「そんなにダメージはないです。ボクシングのダメージは何種類かある。ガクンと来るダメージがあれば、目を腫らされて視界が悪くなるダメージもある。そういうのがあります。相手は若さもあるし、こういう舞台で諦めていなかった。相手もボディーが弱いと思っていたので、ブロッキングとかボディー自体を鍛えたりとかしていたと思う。今日の当日計量を聞いても79キロくらいあると聞いた。凄く体を作ってきたと思う。世界タイトルでビッグチャンス掴もうとする若い心は強かった」
――初めてぐらつかせたところを仕留めた。フィニッシュまでの持って行き方は。
「わかんないです。そんな詰将棋みたいなボクシングは僕にはできないです(笑)」
――コンディションがいいように見受けられた。前回はスパーリングに合わせていく調整方法をした。それを踏襲してどうだったか。
「今回もそうでした。(帝拳ジム代表の)浜田(剛史)さんに言われたことですけど、走ったりフィジカルやったり、いろんなことをやっててもいい。ただ、スパーリングでいい状態を作れ、と。要はスパーリングって一番試合に近い練習。そこでいいコンディション作れないのに、試合でいいコンディション作れるわけないじゃないですか。そういう意味で、僕はスパーリングを試合だと思って、コンディションを作ると思ってやっていた」
――ボクシングの確立とは。コンディションの作り方も完成したのか。
「あとはもうこれで大丈夫かなと。年明けたら34歳になりますから、もう変えなくていいですよ」
――今回、テーマにしていたことは。
「う~ん。前回の試合で形が確立できた。ああやって前にプレッシャーをかけて打つっていう形。しっかり突き詰めていくっていうことと、あとは考えすぎないこと。考えることっててすごく大事なことなんですが、時に考えないことってもっと大事。考えないことをできるだけ日常から作ったことが大事だった」