【名珍場面2019】日本の「具くん」 交代時の“無念の男泣き”に感動の反響「君こそが最高の侍!」
12月を迎え、様々な競技で盛り上がりを見せたスポーツ界を連日、振り返る「名珍場面2019」。今回は10月のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で8強入りに貢献した具智元の涙だ。1次リーグ最終戦スコットランド戦で負傷交代した際に男泣きしたシーンを大会が動画付きで公開し、大きな感動をもたらした。
「スポーツ界の名珍場面総集編」―ラグビーW杯で負傷交代で見せた涙
12月を迎え、様々な競技で盛り上がりを見せたスポーツ界を連日、振り返る「名珍場面2019」。今回は10月のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で8強入りに貢献した具智元の涙だ。1次リーグ最終戦スコットランド戦で負傷交代した際に男泣きしたシーンを大会が動画付きで公開し、大きな感動をもたらした。
この男の涙を忘れない。悔しさを抑えることができなかった。前半21分、具智元は相手との接触で脇腹を痛めた。苦悶の表情を浮かべる25歳。すぐにリザーブ選手が準備を進めるが、具智元は再び、プレーに戻ろうとした。なんとしても戦い抜く――。そんな執念が浮かんでいたが、ベンチの判断で交代。チームに思いを託し、ピッチを去る、その時だった。
リザーブの面々に労われ、頭を叩かれた具智元の表情はくしゃくしゃになり、汗とともに目に涙が浮かぶ。歴史的一戦に先発しながら、7-7という状況、開始21分という序盤で……。この試合にかける気持ちが表れたシーン。中継映像でもわずかに映っていた場面を大会公式ツイッターが動画付きで伝えると、大きな反響を呼ぶことになった。
「この場面で泣いてしまった」「魂がみんなに伝わってます!」「君こそが最高の侍!!」「この試合にかける気持ちが伝わったよ、マジで泣いた」「この表情にグッとくるもんあるな」「日本の為にありがとう」などとファンから反響が続々。結果的に無念の思いを託されたチームは28-21で勝利し、史上初の8強という快挙に達成した。
17年から代表に加入した韓国出身の25歳。元韓国代表の具東春さんを父に持ち、中学時代に来日。日本文理大付属高、拓大と日本で実力を磨いた。17年11月に日本代表初キャップ。2つの祖国を背負い、赤と白のジャージをまとって日本のために泥にまみれた。一夜明けの会見でも同僚の口から「具くん」の名前が数々挙がり、信頼ぶりが伺えた。
31人中15人が外国籍というチームにおいて「日本のために」の思いで一致したのは具智元も一緒。12月に行われたパレードでも日本のファンから大きな声援を浴びた。盛り上がったW杯で、この男の奮闘は多くの人の脳裏に刻まれた。
(THE ANSWER編集部)