チケット販売率99.3%は史上最高 ラグビーW杯の成功を支えたもう1つの「ONE TEAM」
9月20日の開幕から始まる44日間にわたり、日本から世界に向けて感動と熱気を発信したラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会。南アフリカが3度目の優勝を果たした大会で、日本代表は史上初のベスト8進出を果たす快進撃で、日本列島にラグビーブームを生み出した。毎年恒例となった新語・流行語大賞の候補として、「にわかファン」をはじめ「ONE TEAM」「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」「笑わない男」「ジャッカル」とラグビーに関連する5つの言葉がノミネートされるなど、W杯開催は日本に大きなインパクトを与えた。
史上最高の販売率99.3%を達成、予想を覆したチケット販売担当チームの戦略
9月20日の開幕から始まる44日間にわたり、日本から世界に向けて感動と熱気を発信したラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会。南アフリカが3度目の優勝を果たした大会で、日本代表は史上初のベスト8進出を果たす快進撃で、日本列島にラグビーブームを生み出した。毎年恒例となった新語・流行語大賞の候補として、「にわかファン」をはじめ「ONE TEAM」「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」「笑わない男」「ジャッカル」とラグビーに関連する5つの言葉がノミネートされるなど、W杯開催は日本に大きなインパクトを与えた。
台風直撃の影響で3試合が中止となったが、全国12会場を舞台に44日間で45試合の熱戦が繰り広げられた。観客動員数は170万4443人に上り、1試合平均では3万7877人が観戦。チケットは中止となった3試合を含め、最終的には販売可能な座席の99.3%にあたる約184万枚を売上げ、過去最高の販売率を記録した。会場では、海外チームの国歌やアンセムを歌う日本人ファン、母国を応援するために訪日した海外ファンが、もう1人の主役として大いに盛り上げた。
だが、実際に大会が開幕するまで、この成功を一体どれだけの人が予想していただろうか。「チケット、本当に売れるんですか?」――。そんな世の雰囲気に発奮したのが、大会組織委員会のチケッティング・マーケティング局の面々だった。「本当に満員にできたら、いい意味で、日本の皆さんに少し驚いてもらえるんじゃないか。そういうチャレンジがあった方が面白いと思ったんです」と振り返るのは、チケット販売プロモーションの中心的な役割を担ったチケッティング部副部長の大内悠資さんだ。
プロスポーツチームでマーケティング経験を積んだ大内さんにとって、今大会は新たなチャレンジとなった。まず、日本初かつアジア初開催のため、チケット販売プランを立てる上で参考となる指標がなかった。そこで対戦カード、試合日程、チケット価格が発表された2017年11月2日から徹底的な需要調査に取り組んだ。プール戦、決勝トーナメントを併せて全48試合で販売されるチケットは約180万枚。需要調査から弾き出された販売見込みは約120万枚で、その差は60万枚。これをどう販売していくかが鍵となった。