伊藤美誠の大逆転負け あと1点の窮地から5連続得点、中国の「吹っ切れた」凄みとは
卓球のJA全農ワールドカップ(W杯)団体戦の女子決勝が10日、東京体育館で行われ、世界チームランク2位の日本は同1位の中国に0-3で敗戦。2大会連続4度目の銀メダルとなった。第2試合のシングルスでは、エース・伊藤美誠(スターツ)が世界ランク3位・孫穎莎と対戦。2ゲーム先取後のマッチポイントから5連続失点で大逆転負けを喫し、最終的に9連覇を許した。土壇場で底力を発揮した中国には“スイッチ”が入った瞬間があったようだ。
伊藤美誠、マッチポイントから5連続失点で敗戦「私も戦術を持ちたい」
卓球のJA全農ワールドカップ(W杯)団体戦の女子決勝が10日、東京体育館で行われ、世界チームランク2位の日本は同1位の中国に0-3で敗戦。2大会連続4度目の銀メダルとなった。第2試合のシングルスでは、エース・伊藤美誠(スターツ)が世界ランク3位・孫穎莎と対戦。2ゲーム先取後のマッチポイントから5連続失点で大逆転負けを喫し、最終的に9連覇を許した。土壇場で底力を発揮した中国には“スイッチ”が入った瞬間があったようだ。
【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」(W-ANS ACADEMYへ)
絶対女王の底力は凄まじい。第1試合のダブルスを落として迎えた第2試合のシングルス。最終ゲームまでもつれ込んだ火花散る戦い。伊藤が10-7でマッチポイントとした。スティックバルーンの音とともに「ニッポン」コールが鳴る。あと1点。勝利へのカウントダウンが始まった。ところが、孫にスイッチが入った。馬場美香監督は、世界ランク3位の変化を感じ取った。
「最初、相手が凄く緊張していて、伊藤が思い切っていった。でも、3ゲーム目、突然相手が変わったんですよね。伊藤がスマッシュのミスをしてから、凄く声を出していたし、気持ち的に吹っ切れたような。あっ、これは向こうが思い切ってくるなっていうのがあって。伊藤が最後になってやっぱりちょっと考えすぎたかなというのはあります」
あれよあれよと失点。10-9から相手の強烈なチキータでリターンエースを許した。結局、マッチポイントから1点も奪えず、5連続失点で敗戦。金星を期待した日本ファンのため息が響く一方で、中国国旗が揺れる。敗れた伊藤はフーっと息を吐いた。同じ2000年生まれの19歳に黒星。10月のドイツオープン決勝でも敗れた相手との接戦をサバサバと振り返った。
「10-7から凌いでくるばかりで、攻め急いだ1ポイントがあった。攻め急いだことで、相手は思い切り次の1本が打てるようになった。落ち着いて攻めることができれば、勝てた試合だった」
序盤は前に出る持ち前の積極的な攻撃でスタートから5連続ポイント。主導権を握ったが、ここからの戦術プランについて「5-0だし、いろいろ試せばよかった」と悔やんだ。ロケットスタートのはずが、5連続失点で同点に。結果的に2ゲームを連取したが、大きな舞台でも複数のプランを試す相手との差を痛感した。
「相手がサーブミスをして、いつもと違うなと感じた。でも、中国選手はそういうところでもうまい。(戦況が)良くても、そこまでと違うことをするし、私も戦術を持ちたいと思う」