「なす術がない」中国戦を避けるため 日本男子の五輪メダルに“ロケットスタート”必須
卓球のJA全農ワールドカップ(W杯)団体戦の男子準決勝が9日、東京体育館で行われ、世界チームランク2位の日本は同1位の中国に0-3で敗れて銅メダルとなった。8連覇を狙う卓球王国の壁を跳ね返せず、東京五輪前哨戦で実力差を露呈。五輪で少しでも上に行くために、1次リーグの戦い方に課題が残った。
卓球W杯で日本は中国に敗戦、倉嶋洋介監督「完敗と言わざるを得ない」
卓球のJA全農ワールドカップ(W杯)団体戦の男子準決勝が9日、東京体育館で行われ、世界チームランク2位の日本は同1位の中国に0-3で敗れて銅メダルとなった。8連覇を狙う卓球王国の壁を跳ね返せず、東京五輪前哨戦で実力差を露呈。五輪で少しでも上に行くために、1次リーグの戦い方に課題が残った。
第1試合のダブルスは、丹羽孝希(スヴェンソン)、吉村真晴(名古屋ダイハツ)組がダブルスのスペシャリスト・許シンと梁靖崑の組にストレート負け。第2試合のシングルスは、日本勢トップの世界ランク5位・張本智和(木下グループ)が、同1位の樊振東にストレートで敗れた。第3試合は、吉村が許シンから1ゲームを奪って一矢報いたが、勝利には届かなかった。
水谷隼(木下グループ)が腰痛で初日から欠場した中で強豪のドイツを破るなど健闘したが、五輪でも不測の事態は起こりえる。中国はリオ五輪金メダルで世界選手権3連覇中の馬龍など、最新世界ランク1位から4位をそろえたベストメンバー。しかし、日本戦に馬龍は出場せず、精神的支柱のいない中でも絶対王者との差は明らかだった。
試合を終えた張本は「出だしはリードして、そこまで自分のプレーができすぎて、逆に地に足がつかないような感覚。逆に簡単なところでミスをして、またすぐに逆転された」とミスを悔やんだ。さらに世界ランク1位に君臨する樊振東から感じ取った強さを明かす。
「徐々に相手も落ち着いて、慣れてきて、自信を持ってプレーをされた。1ゲーム目を取り切れなかったのが、2ゲーム目に負けてしまったことにつながった。大事なところで、こっちがゲームポイント取っていても焦らないし、逆に相手がリードしている時はポンポンと取られたしまうので、そこの一つ一つの実力が違う。多少近づいているかもしれないですけど、まだまだ差はあるのかなと思います」
どの大会でも立ちはだかる中国の高い壁。男子の倉嶋洋介監督は「0-3で負けたので完敗と言わざるを得ない。中国選手も非常に素晴らしい試合をしていた。後半なす術がなかったというか、まだまだだなと思いました」と脱帽。以前と比べた中国との差については「これは本当にその日の調子とかそういうもので変わってくるので、簡単に差が開いたとか、そういう表現をするのは難しいですね」と話すにとどめた。