残り4分まで同点の準決勝の勝敗分けた鍵 箕内拓郎「南アは常にエリアを意識していた」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は27日、横浜国際総合競技場で準決勝の第2試合を行い、世界ランク3位のウェールズと同4位の南アフリカが激突。前半は互いにペナルティーゴール(PG)による得点だけで9-6と南アフリカがリードして折り返し、後半は75分過ぎまで16-16の同点という競った展開になった。結局、最後は敵陣でペナルティーを得た南アフリカが、SOポラードの”黄金の右足”で決勝の3点を奪い、19-16で競り勝った。
両チームともに「攻撃力がディフェンス力を上回らない」試合展開に
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は27日、横浜国際総合競技場で準決勝の第2試合を行い、世界ランク3位のウェールズと同4位の南アフリカが激突。前半は互いにペナルティーゴール(PG)による得点だけで9-6と南アフリカがリードして折り返し、後半は75分過ぎまで16-16の同点という競った展開になった。結局、最後は敵陣でペナルティーを得た南アフリカが、SOポラードの”黄金の右足”で決勝の3点を奪い、19-16で競り勝った。
互いに強固なディフェンスを意識する中、なかなか敵陣22メートルを越えることができず。キックを多用する展開での消耗戦となった。後半64分にWTBアダムスが今大会最多となる6個目のトライで同点に追いついたウェールズが流れを掴んだかに見えたが、自陣でのミスが命取りとなり、初の決勝進出を逃した。
前日、イングランドがニュージーランドに勝利した準決勝の第1試合とは、まったく異なる内容となった一戦を、元日本代表主将で2003年、2007年とW杯2大会に出場した箕内拓郎氏はどう見たのか。「THE ANSWER」に語ってくれた。
◇ ◇ ◇
まさにファイナルラグビー。息詰まるような心理戦になりましたね。南アフリカとウェールズはお互い手堅いゲームプランで試合に臨み、なかなか点差が広がらない中で、ボールを持って動かしながら相手のミスを誘っていた。ペナルティーをした方が負け。お互いに攻撃力がディフェンス力を上回らない、そんな試合展開でした。
ウェールズは前半、2、3度ですが、外のスペースにボールを運び、これは面白い展開になるかな、と思った場面がありました。外にボールを運ぶためには、グラウンドの中央、あるいは左右どちらかに、南アフリカのディフェンスを1人でも多く寄せておく必要があった。そこで外のスペースを空けてキックやパスで展開するわけですが、ウェールズがポイントからの球出しで1、2秒遅れただけで、南アフリカはディフェンスラインを広げてスペースを潰してしまう。ウェールズは南アフリカをよく分析していましたが、南アフリカもよく対応してきました。