ゴルフは大丈夫か 東京五輪の酷暑懸念、米記者が「大きな問題ではない」と語る理由
スタート時間前倒しも必要なし「どちらにしても暑くなる」
もちろん、選手がプレーできるかだけが懸念材料ではない。今大会のように大勢のギャラリーの来場が予想され、ファンが熱中症にならないか心配だ。しかし、同記者は「(アメリカでも)もちろん、ファンが来てくれるんだから、気をつけないといけないのは水をたくさん飲むとか、日焼け止め、アルコールを早い時間から飲まないなどあるけど、アメリカもニューヨークとかシカゴとか、ほとんどの場所が暑い。アメリカ人は暑さには慣れている」と持論を述べた。
今年8月の日本ジュニア選手権は東京五輪のテスト大会を兼ねて行われ、五輪ゴルフを管轄する国際ゴルフ連盟(IGF)のピーター・ドーソン会長が視察。暑さや選手、観客の輸送などの対策を考えていく方針を示している。2016年リオ五輪ではジカ熱の脅威などもあり、トップ選手の出場辞退が続出。酷暑への懸念で同じ轍を踏まないことを願うばかりだが、ハリグ記者からしてみれば日本で取り沙汰されていることは杞憂に過ぎないようだ。
「いろんな考慮をして霞ケ関に決まっているので、今更会場を変えるのはもう遅い。(涼しい地域などに変える必要は)ないと思う。(スタートを)1時間早めようが、2時間早めようが、どちらにしても暑くなるから変わらない。あとはテレビ放送など、それ以外の事情が決まってしまっているから、やろうと思っていたことをやればいいと思う」
陸上のように会場変更はできないし、必要もないという。同記者は「霞ケ関は国際メディアからすれば、東京の他の競技会場と離れている。一番思ったのは東京の近くでやってほしいというくらい」と笑顔で個人的な要望を吐露。さらに「あと思っているのは、霞ケ関はプライベートクラブなので、パブリックコースでやった方が理想的だった。じゃないと、五輪の期間中だけそのコースは放映されるけど、その後は一般の人からしたら近寄れない場所ですよね」と語った。
今回、酷暑への懸念について質問を受け「日本のツアーは夏にやらないのかと思ったよ」と笑ったハリグ記者。「そんなに大きな問題ではない。もちろん、少しでも環境のいいところでやるのがいいけどね」。ドーハ世界陸上のマラソンでは、酷暑で選手の途中棄権が続出したが、本当にゴルフでは杞憂に終わるのだろうか。いずれにしても、開催国として万全の対策を練らなくてはならない。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)