「最後に一言…」と選手が感謝 ジョージアHCのラストゲームで見せた“諦めない心”
1次リーグはついに、残すところ4試合となったラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。11日には静岡・エコパスタジアムでD組で決勝トーナメント進出を決めているオーストラリアが、ジョージアに27-8で勝利した。
8年を過ごしたジョージアを離れ、今冬からサントリーで指揮
1次リーグはついに、残すところ4試合となったラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。11日には静岡・エコパスタジアムでD組で決勝トーナメント進出を決めているオーストラリアが、ジョージアに27-8で勝利した。ワラビーズの愛称でおなじみの強豪オーストラリアは4トライを奪ったが、最終スコアが示すほどの楽勝ではなかった。この日は台風接近の影響を受け、雨風が強く吹きつける悪条件での試合開催。だが、それ以上にオーストラリアを苦しめたのは、ジョージアの鉄壁のディフェンスと最後まで諦めない闘争心だった。
試合開始直後からジョージアは徹底的に守り抜いた。オーストラリアの選手がボールを持ったと見るやいなや、重量タックルで襲い掛かり、なかなかゲインさせない。試合開始から10分ほどは、両陣22メートルラインの間を行ったり来たり。ようやく22メートルラインを越えたオーストラリアは14分、敵陣ゴールまで約5メートルでのラインアウトからモール、ラックで畳みかけ、トライまであと一歩まで迫った。だが、ジョージアは徹底抗戦で死守。逆にオーストラリアのペナルティーを誘い、敵陣へ攻め込んだ。
前半を終え、スコアは10-3。オーストラリアは1トライ1ゴール差のリードをつけただけだった。後半が始まると、19分にオーストラリアがトライを挙げるが、その10分後に今度はジョージアがトライ。ジョージアは泥臭く食い下がったが、試合終了間際の6分間で2トライを献上。試合後、ミルトン・ヘイグ・ヘッドコーチ(HC)は「我々はよく戦い続けた」と振り返った。
今大会、ジョージアは1勝3敗で1次リーグを終えた。D組では4位以下が確定しており、2023年フランス大会の自動出場権も逃した。だが、試合後の記者会見でヘイグHCは「タフな試合だったが、選手は守り抜いた。勝ち目は見えなくても最後まで戦い抜いた姿を誇りに思う」と胸を張った。
2011年末からジョージア代表を率いるヘイグHCはニュージーランド出身。就任当初、ティア1のチームには全く歯が立たなかったチームに「ラグビーの基礎と闘争心、諦めない心を植え付けてくれた」と、HOマムカシビリは話す。勝者の心得とは何なのか。ジョージアの強みは何なのか。ヘイグHCが根気強く説き続けた結果、2015年イングランド大会ではトンガとナミビアから2勝を挙げ、初めて上位12チームに入って、今大会の自動出場権を獲得。そして、この日は201という桁外れのタックル数で、強豪オーストラリアを苦しめた。