18歳で始めたラグビー ロシアの変わり種FLが持つ、元格闘家とコーカサスの誇り
もともとは格闘家「18歳までラグビーボールを持ったことさえなかった」
FWの第3列の1人として、今大会では3試合全てに出場し、圧倒的な運動量でロシアの前線を支える。ラックに飛び込んでくる相手選手の防波堤となったり、時にはボールを持って勢いよく飛び込み、アタックの道をこじ開ける。ひたむきにプレーし続けるガジエフだが、ラグビーを始めたのは18歳の時だったという。今から7年前の話だ。
「元々はロシアで盛んなサンボという格闘技をやっていました。K-1も少し。18歳までラグビーボールを持ったことさえなかったんだけど、サンボをやりながらマラソン、バスケ、短距離など、いろいろなスポーツをしていました。ある時、ラグビーをやってみないかと誘われてやってみたところ、目に留まったんです」
格闘家だった経験は、もちろんラグビーをする上で役立っているという。タックルをする時の当たりの強さ、タックルをした後やモール・ラックなどに入った後の立ち上がりの速さ、次にどんな動きをするか決定する判断力の速さ。これらはすべて格闘技の経験に基づくという。
現在はロシアのクラブチームとプロ契約をしているが、このW杯をきっかけに海外リーグから声がかかれば「ぜひチャレンジしてみたい」と向上心を失わない。ロシアには荒削りな若い選手が多いが、もしガジエフをはじめとする若手選手が海外でプレーし、勝者のメンタリティーを身に付けたら、ロシア代表は将来侮れない存在となりそうだ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)