なぜロシア代表HCと主将は1次R敗退決定後も笑顔だったのか 「胸を張っていきたい」
ジョーンズHCのアルテミエフ評は… 「あの口ヒゲはともかくとして…」
アルテミエフは「アイルランドは第2の祖国」と話す。ロシアに生まれ育ったが、15歳でアイルランドの高校に進学。ラグビー選手として頭角を現すと、ダブリンの強豪「レンスター」のアカデミーで腕を磨いた。アイルランドで大学にも通うなど、人としても選手としても成長した場がアイルランドだった。「大舞台でアイルランドと戦えてうれしい。私たちは胸を張っていきたい。間違いなく大きな体験で、感極まってしまうほどだ。私たちのパフォーマンスが祖国のパワーになれば」と感慨深げに語った。
映画鑑賞が好きで大ヒット作「ボヘミアン・ラプソディー」に感化され、フレディー・マーキュリーばりの口ヒゲを蓄えて今大会に臨んだアルテミエフ。プレースタイルはもちろん、茶目っ気のある性格で人望を集める主将について、ジョーンズHCが「あの口ヒゲはともかくとして(笑)、とても素敵な人物だ」と称えると、横に座る本人はまんざらでもない笑顔で頷く。この指揮官と主将の絶妙なコンビネーションも、ひたすら前向きでい続けるロシア代表に大きな影響を与えているのかもしれない。
参加20チームの中で最も早く1次ラウンド敗退を決めてしまったが、今大会の代表31選手が得た経験は必ず、ロシア代表強化に生かされるはずだ。残るは9日のスコットランド戦。もう失う物は何もない。世界トップを争う強豪を相手に、真っ正面からぶつかっていく。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)