コンバージョン成功8/8 オールブラックス完勝の立役者の“もう一つの顔”とは
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は2日、世界ランク1位のニュージーランドが同22位のカナダを63-0と完勝した。この日はバレット3兄弟のスタメン出場&全員トライ、途中出場のFLサベアのW杯史上初のゴーグル着用など、様々な話題があった試合となったが、その中でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたのはSOリッチー・モウンガだった。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチのSOモウンガ、右足で16点稼ぐ
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は2日、世界ランク1位のニュージーランドが同22位のカナダを63-0と完勝した。この日はバレット3兄弟のスタメン出場&全員トライ、途中出場のFLサベアのW杯史上初のゴーグル着用など、様々な話題があった試合となったが、その中でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたのはSOリッチー・モウンガだった。
25歳のモウンガは初戦の南アフリカ戦に続き、2戦連続のスタメン出場。オールブラックス初キャップは昨年のことだが、司令塔とも呼ばれるSOのポジションをがっちり掴んだ。この日も前半8分にゴール前から巧みなキックパスを右サイドライン際に蹴り出し、バレット3兄弟による1つ目のトライ、WTBジョーディーのトライをアシスト。さらに、プレースキッカーも務めるモウンガは、8度のコンバージョンキックを8度とも成功。点差が開き、ややもすると気が緩みがちにもなるが、「そうなりかねない状況だったけれど、集中力を高めることは常に意識していた」と、決して容易くない位置からのキックもゴールポストの合間をくぐらせた。
その右足で16点を稼ぎ出し、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれても「自分が選ばれたことはとてもうれしい。でも、これはチームで得た勝利。チームとして機能しなければ、僕もこの賞をもらうことはできなかった」と、どこまでも謙虚だ。
ニュージーランドのクライストチャーチで生まれ、カンタベリー大学に通った。176センチ、83キロとラグビー選手としては小柄な体格。それでも正確無比なキックと当たり負けしない体の強さを発揮。カンタベリー州代表やバーバリアンズに参加したり、スーパーラグビーのクルセイダーズでは3連覇に貢献する選手となった。ミュージシャンとしての側面も持ち、オールブラックス公式インスタグラムでは、来日してからの束の間に、モウンガがピアノを演奏する動画も紹介されている。身に備わったリズム感もまた、モウンガのゲームメーク能力をさらに一段引き上げているのかもしれない。
タレント揃いのオールブラックスだが、彼らがチームとして機能し、一つの大きな脅威となるように操る司令塔の動きは、この先もしっかり注目しておきたい。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)