菊谷崇×廣瀬俊朗・前編 「サッカーの6倍」!? 意外な注目はアルコール消費量
2人の注目選手は意外なベテランで一致?
――お2人もキーとなる試合と見ている初戦。やはり独特の緊張感があると思いますが、実際にどういった心境で臨むのでしょうか。
菊谷「スターティングメンバーの15人の中で、何人がW杯を経験しているのか。多くが経験してるわけじゃない。4年に1回でなおかつ日本での試合。当然緊張して、普段やっていることができない。体が動かないこともあるかもしれない。いい意味で、その緊張感にうまく乗って行けるのか。プレッシャーでガチガチになるか。勝てば日本はより盛り上がるし、負ければよりプレッシャーに感じる。普段のW杯よりも、初戦の意味合いが違ってくるのではないか。俊朗は前回大会の初戦はどうだった?」
廣瀬「事前に、負けるとW杯がなくなるかもしれないという報道もあったんですよね。しかも相手が南アフリカ。そういう意味でのプレッシャーはあったけど、ただ逆に良かったところもあった。負けて当たり前だし、気持ちとしては入りやすかったかもしれません。
初戦の前日もエディーさんに怒られたんですよね。報道陣がいるから見せるなと言っているのに、(リーチ・)マイケルがストレッチを始めた。そうしたらエディーさんが怒って……」
菊谷「らしくていいね(笑)」
廣瀬「普段通りといえばそう。コーチの方が緊張してたのかもしれない。僕らの方が大丈夫だったのかなと。でも、メンタルの準備は大事。アナリストの人が、そこで映像見せてくれた。4年間の軌跡をまとめたもので、やっぱり気持ちは入りました」
――前回大会では五郎丸歩という国民的なスターが生まれました。今大会でお2人が注目する選手を教えてください。
菊谷「キャプテン(リーチ・マイケル)はやっぱり注目ですけど……。あとはトンプソン・ルーク。おじいちゃんに頑張ってもらおうと(笑)。これで4大会連続出場。年齢は僕の一つ下(38歳)かな」
廣瀬「すごいですよね」
菊谷「いいプレーするからね。後半はばててるけど(笑)。間違いなくおじさん世代に夢を与えている」
廣瀬「田村優はそうですし、両ウイング(福岡堅樹、松島幸太朗)も。松島はボールタッチや自分で抜いていく場面も増えたし、見ていて面白いなと思っています」
菊谷「あとは、テレビが誰にどれだけフォーカスするか(笑)。前回にしても、五郎(丸)だけが活躍した試合ではない。その意味では誰にでもスターになる可能性があります」
廣瀬「ファンもメディアも、誰かをおっかけたいんじゃないですか」
菊谷「今はどの選手も認知度がある。一般への認知度なら、前回は五郎(丸)が0から100だったけど、今回はもうある程度の選手が、60~80くらいは認知されている。街を歩いていても、トンプソン・ルークの旗があったり、選手の認知度は前回より増している。あとは誰がヒーローとして吊るし上げられるのか(笑)。
ラグビー人気を出すためには、男前で爽やかなやつが活躍するのがいいのでは(笑)。そうなると姫野(和樹)とか、田村優とかいいんじゃないですか」
廣瀬「僕は中村亮土や、山中(亮平)。前回出られなかったですし。このあたりが一皮むけてほしいなと注目しています」