日本ジョセフHC 見えた、対ティア1の課題「スコットランドもアイルランドも…」
ラグビー日本代表は6日、「リポビタンDチャレンジカップ2019 南アフリカ代表戦」(熊谷ラグビー場)を行い、7-41で敗北。20日に開幕するワールドカップ(W杯)2019日本大会前の最後のテストマッチで、日本は世界ランク5位のスプリングボクスの前に完敗した。
ジョセフHCが警戒「ハイキックからの空中戦で競り負けた」
ラグビー日本代表は6日、「リポビタンDチャレンジカップ2019 南アフリカ代表戦」(熊谷ラグビー場)を行い、7-41で敗北。20日に開幕するワールドカップ(W杯)2019日本大会前の最後のテストマッチで、日本は世界ランク5位のスプリングボクスの前に完敗した。
前半は敵陣ゴール付近まで攻め込むも決めきれず。さらに、ノックオンなど小さなミスが続き、0-22と圧倒されて折り返した。後半も開始早々に怒濤の波状攻撃を仕掛け、ゴール寸前まで詰め寄るが、南アフリカの強固なディフェンスに跳ね返されてしまった。
0-27とリードを広げられた後半20分、南アフリカのパスが乱れたところで、CTBラファエレがタップパスでインターセプト。WTBアタアタからWTB松島に繋いで、この日唯一となるトライを決めたが、最後まで手を緩めなかった南アフリカに、さらに2つのトライを許して7-41と34点差で敗れた。
試合後、ジェイミー・ジョセフHCは、大差を生んだポイントについて「相手が優勢だったのはハイキックからの空中戦」と振り返った。この日、南アフリカはキックを多用して日本陣地に攻め込んだ。中でも、SHのデクラークはハイパントを多く使い、前半7分のWTBコルベによる先制トライ、22分のWTBマピンピによるトライはハイキックがきっかけ。さらに全6トライのうち4トライがキックからの攻撃が起点となった。
ジョセフHCは「ハイキックからの空中戦で競り負けて、相手に得点されてしまった。相手のサイドバックは非常にスキルが高くてダイナミックな空中戦ができる選手。ジャパンのWTBは(福岡)堅樹も松島(幸太朗)もあまり体格が大きくないので劣勢になることがある」と言及。南アフリカと同じくティア1(ラグビー界におけるカテゴリー最上位の強豪10チーム)に属し、ワールドカップで対戦する2チームを念頭におきながら「スコットランドもアイルランドもそういう戦術で組み立ててくると思うので、そこは課題として取り組みたい」と、20日の開幕までに対策を立てるつもりだ。
この日、日本はスクラムが強いことで知られる南アフリカを相手に、対等に渡り合った。ジョセフHCも「セットプレーにこだわってやった中で、スクラムは非常に上手く機能していました」と笑顔を見せたほどだ。だが、それを打ち消してしまったのが、ノックオンやスローフォワードなど度重なる平凡なミスだった。「チャンスを作れたけれど、自分たちのミスで逆に相手にやられてしまった」と悔やんだ指揮官。「今回は絶対にW杯の準備に向けて必要だった試合」と語ったように、この日の大敗で得た気付きをW杯本番に生かしたい。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)