テニストップ選手の躍進の裏に名手の支え 元スター選手がもたらすモノとは
熱戦が続くウィンブルドン。そのテニス界で、かつて世界を席巻した名手たちがスーパースターの活躍を陰ながら支えている。全英オープンテニスの舞台イングランドの衛星放送「スカイ・スポーツ」電子版が「スーパーコーチの躍進」との見出しで特集を組んだ。
トップ選手の躍進の裏に名手の支えあり
熱戦が続くウィンブルドン。そのテニス界で、かつて世界を席巻した名手たちがスーパースターの活躍を陰ながら支えている。全英オープンテニスの舞台イングランドの衛星放送「スカイ・スポーツ」電子版が「スーパーコーチの躍進」との見出しで特集を組んだ。
地元英国のスター、アンディ・マレーは2012年から14年まで契約を結んでいたチェコ出身のイワン・レンドル氏を再びコーチとして招聘した。
マレーはレンドル氏とのタッグで2012年の全米オープンを制すと、ロンドン五輪男子シングルでは金メダルを獲得。翌13年はウィンブルドン初優勝を果たしたが、これは英国にとっては実に77年ぶりの快挙だった。
その栄冠への道のりを支えたレンドル氏は現役時代、フォアハンドの強烈なトップスピンを武器に1980年代にテニス界の王座に君臨。ボレーが苦手で天然芝のウィンブルドンでは一度も優勝できなかったが、グランドスラム優勝は8度を数えた。記事ではキャリアのうち5度、年間勝率90パーセントを誇ったことを紹介している。
そのレンドル氏の再招聘はマレーのメンタル面に大きく作用したという。現地メディアは「レンドルとの再タッグはマレー陣営に新たな側面を加えることになった。(第1シードの)ノバク・ジョコビッチの敗退を受けて、2016年のウィンブルドンの圧倒的本命としての期待に対応するマレーを手助けする点でも重要となる」とレポート。マレーは準々決勝で第12シードのツォンガ(フランス)にフルセットの末に競り勝っているが、今回の4強進出にもレンドル氏による精神面のサポートが大きく影響しているようだ。
また、第6シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)はカルロス・モヤ氏とジョン・マッケンロー氏のダブルコーチ体制を敷いている。マッケンロー氏は1970年代後半から1990年代前半にかけて活躍したボレーの名手でグランドスラム優勝は7回。ダブルスでも9度の優勝を誇り、審判に頻繁にクレームを入れる“悪童”としても人気を博していた。