村田諒太「自分はヘタレ」 攻め抜いた衝撃KO後に告白した胸中「逃げるのはチキン」
ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチが、12日にエディオンアリーナ大阪で行われ、前王者・村田諒太(帝拳)が世界王座奪還に成功した。王者ロブ・ブラント(米国)に2回2分34秒TKO勝ち。
宿敵ブラントとの再戦で2回2分34秒TKO勝ち、試合後の一問一答
ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチが、12日にエディオンアリーナ大阪で行われ、前王者・村田諒太(帝拳)が世界王座奪還に成功した。王者ロブ・ブラント(米国)に2回2分34秒TKO勝ち。昨年10月に米ラスベガスで行われた世界戦で、王者だった村田は大差判定負けで挑戦者ブラントを相手に王座陥落。前回は1200発超のパンチを被弾する屈辱を味わったが、9か月ぶりの再戦で見事リベンジに成功した。村田は試合後の控室で劇的勝利を振り返った。
――勝利直後の心境は。
「早く止めろよと思っていた。ホッとした」
――やりたいことができた?
「やりたかったのは相手に起こされないこと。特にワンツー、スリーに対して、前は棒立ちになったので。その足腰の強さは練習でやってきて、それをやりたかった。あの左フックであんなに効かせることはやりたかったことじゃない。試合の結果は良かったけど、やりたかったことは倒した、倒してないじゃなくて、実はもっと地味なことだった」
――ブラントが前に出てきたのは予想外?
「ビックリしました。『こう来るか』と。そこで会長が『前だよ』『前で殺せ』と言ってくれた。それが功を奏した。ボディーが2回くらい当たって、それが効いたかなと。結局、練習でやってきたことしか出ない。練習は嘘をつかないというけど、練習は嘘をつく時も多いけど、練習でやってきたことしか出ないということをアマチュアで150戦くらいとプロでやってきて学びました」
――入場はいつも笑顔だが、今日は引き締まっていた。
「この試合が最後になるかもしれないと思う気持ちもあったので、絶対に後悔したくなかった。あとは練習でやってきたことを出すだけ。怒ってはなかったけど、考えないでおこうと思っていた。瞑想みたいに無になって、呼吸だけに集中していった。ゴングの瞬間は冷静でした。スパーリングをやる時のルーティーンをやって、落ち着いていた」
――聞こえた声は?
「『そこ前だよ!』という会長の声はものすごく聞こえました」
――ここまでがむしゃらに手を出したのはプロになって初めて?
「初めてだと思う。相手あってのものなんでね。かみ合ったのだと思います。今日は僕の夜だったし、前回は彼の夜だったし。早いラウンドで決着ついたのは結果論」