スターターの座を手にするためには「常にチームのためにハードワークできること」

　同記者はオフェンス、ディフェンス両面でプレーに積極的に絡み、チームメートをサポートした八村のデビュー戦を評価していた。それでは、サマーリーグで重要視されるところはどこなのか？

「彼の1対1のポジションが向上しているのか。ディフェンスで状況に応じてローテーションできているか。ファストブレイクで仲間のためにスペースを生み出すことができるか。そういう部分の向上が大事なんだ。スタッツ的には素晴らしいけれど、全然いいプレーをしていない選手もいる。だが、数値的には際立ったところはないけれど、ファンタスティックなプレーをしている選手もいるんだ」

　ディフェンス面での1対1でのスキル、マーカーのスイッチなど規律をいかに遵守し、上達するか。コーチ陣が注目しているのはこの部分だという。

「常に大事なことはチームメートのためにハードワークできる選手であること。カーメロ・アンソニーのように凄まじい得点記録を残す選手もいる。それで彼は凄く批判されることもあるが、フェアな批判でもある。彼は平均30点ぐらい叩き出すが、他の選手のサポートが彼のストロングポイントを最大化しているんだ。他の選手の犠牲で、成果を挙げる選手もいる。

　ルイのような選手にとっても大事なところだ。彼はまだルーキー。彼はレギュラーシーズン開幕時には先発のポジションはないだろう。だが、ある程度少ないながらも安定したプレータイムを手にできると思う。周囲を生かすプレーで、勝敗に対するインパクトをもたらすことができると思う」

　ウィザーズにとってはドラ1の至宝だが、八村はまだプロとしてのキャリアの一歩目を踏みしめたに過ぎない。仲間のために身を粉にしてハードワークする。勝敗に影響を与えるプレーの積み重ねが、スターターの座に繋がると、熟練の記者は今後に期待をかけていた。