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代表98キャップの”鉄人”大野均が今、明かす 4年前、南アフリカに勝てた本当の理由

毎週水曜日の連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」。第2回は歴戦の強者――。そんな呼び方がいいのだろうか。日本ラグビーを10年以上に渡り牽引し続けてきたLO大野均(東芝)が、自らもメンバー入りをめざしてきたジェイミー・ジャパンへの思いを語ってくれた。歴代最多の日本代表98キャップを積み上げ、過去3度のワールドカップに出場。いまも現役で戦う日本ラグビーの苦境も、快挙も肌で感じてきた41歳の鉄人が、桜の勇者たちに熱いエールを贈る。

代表98キャップの“鉄人”大野均が桜の勇者たちに熱いエール【写真:Getty Images】
代表98キャップの“鉄人”大野均が桜の勇者たちに熱いエール【写真:Getty Images】

ラグビーW杯開幕まで93日、連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」第2回

 ラグビーワールドカップ日本大会は9月20日にキックオフを迎える。サンケイスポーツで20年以上にわたり楕円球を追い続けたラグビーライター吉田宏氏が、日本ラグビーを支えてきたレジェンドたちの日本代表、ワールドカップ成功への熱い思い、そして提言を綴る、毎週水曜日の連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」。

 第2回は歴戦の強者――。そんな呼び方がいいのだろうか。日本ラグビーを10年以上に渡り牽引し続けてきたLO大野均(東芝)が、自らもメンバー入りをめざしてきたジェイミー・ジャパンへの思いを語ってくれた。歴代最多の日本代表98キャップを積み上げ、過去3度のワールドカップに出場。いまも現役で戦う日本ラグビーの苦境も、快挙も肌で感じてきた41歳の鉄人が、桜の勇者たちに熱いエールを贈る。

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 98試合のテストマッチを戦ってきた大野だが、いまの日本代表は4年前のチームを上回ると確信している。

「着実に力をつけているのを感じます。いままでの代表って、ワールドカップへ向けてチームを作り、終われば、また新しいチームを一から作り直すというサイクルだった。でも、いまは2015年のチームから継続的に強化を積み上げていると思います。昨年11月のオールブラックス戦、イングランド戦をみても、強豪相手でもトライを取りきれる力はあります。トップクラスの相手でも20点取れる実力はつけているから、防御で20点以下に抑えることができるかが勝負になると思います。あとは、どう戦うかを全員が意思統一して、80分間やり続けることができるかですね」

 大野も中心メンバーだった4年前の日本代表は、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)のもとで、宮崎合宿で“ヘッドスタート”と呼ばれる早朝5時、6時からのジムワークから1日4部、5部練習と猛練習を続けて、ワールドカップ・イングランド大会で3勝を挙げるまでに成長した。ジョーンズHCからバトンを受けたジェイミー・ジョセフHCのもとでも、2017年6月の合宿まで代表に選ばれていた大野は、チームの進化を、こう評価する。

「4年前は宮崎に缶詰めにされて、エディーさんがわざと選手にストレスがかかるような練習をしていた。作られて鍛えられたという感覚でしたね。でも、いまのチームは、試合でいいプレッシャーやストレスを体感しながら強化が進んでいる。去年は、オールブラックス相手に5トライを取って、イングランド代表相手に前半は勝って折り返したり、いままでは考えられなかった戦いぶりをみせています。

 この進化は、それこそ15年ワールドカップ後の16年の秋から見れました。あのときウェールズを3点差まで追い詰めたり、翌年はフランスと引き分けた。勝てはしてないけど、強豪国としっかり戦えている。2015年に向かう自分たちと似ているけど、いまの日本代表はハードワークしている上で、さらに自信もつけている。めざすところは一緒ですけど、鍛えられている過程が違いますね」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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