錦織、完敗の裏で得た“次への気づき” 心境変えた降雨中断「ちょっと光が見えた」
降雨中断でコーチと会話「やることが明確になって、ちょっと光が見えた」
結果だけを見れば完敗だが、次に繋がる気づきもあった。
防戦一方だった第3セットの途中から、センターコート上空は真っ黒な雲に覆われ始めた。第6ゲームを終えて2-4と追う展開で、試合は降雨中断に。防水シートがかけられた直後、赤土のコートを雷雨が襲った。約1時間後、雨雲がすっかり消えた青空の下で、試合はナダルのサーブから再開。互いにサービスゲームをキープし、再開10分後には3-6で終了を迎えたが、「最後の方はもうちょっとやりたかった」と振り返る。
心境の変化は、降雨中断の間に生まれた。ナダルを相手に「なかなか簡単なポイントがなくて、自分の悪い流れになっていた」が、マイケル・チャンコーチとダンテ・ボッティーニコーチとの会話から「やることが明確になって、ちょっと光が見え始めた」という。
「戦略的にもうちょっと早くやるべきことを気づけていたら良かったのかなと、試合が終わってから思いました」
「もうちょっと全体的にポジティブにいられたら、もうちょっとゲームは取れていたかもしれないです」
辛いままに試合を終えるのではなく、わずかでも気づきを持てたことは、錦織がさらなる伸びしろを持つ証拠だろう。
クレーコートシーズンが終わり、今度はウィンブルドンに向けてグラスコートシーズンが幕を開ける。「また違うテニスになりますけど、いい気分で入れると思うので、しっかり休んで次に向けて頑張りたいと思います」と笑顔を見せた錦織。次はどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)